世界中を巻き込んだ新型コロナによる一連の騒動はこれまで経験がないほど多くの規制が長く続き、私たちの生活に様々な変化をもたらしました。これまでの当たり前が当たり前じゃなくなったという経験は日本に住んでいても多くありますが、前回書いたようにフランスでも多くありました。その反対に、それでもフランスは変わっていないと感じることもありました。今回は久々にフランスに行ってみて、変わっていないと思った点について書いてみます!

相変わらず困っていたら手助けしてくれる

ピカソ美術館内部の階段、このように立派な階段だらけのパリは不便な点も多々あります

よく、フランス人や、パリに住む人は冷たいとよく言われますが、実際に行ってみると優しい人も沢山います。これまで、例えばメトロで階段しかなく荷物を抱えて運ぼうとしていたら、ほとんどの場合、必ず誰かが見ていて「手伝いましょうか?」と声をかけてくれることがほとんどでした。また、様々な場面でこちらが迷っていたり、どうすれば良いか分からないと困っていたら誰かが手助けをしてくれること多々ありました。年々、スマホで検索できたり便利な世の中になっていくことで、自分で調べられることが増えているうえ、コロナ禍で人との距離をとる意識を持つことで、少し距離が出る可能性があると思っていました。
今回も、何度かそのような機会があり、とはいえ、コロナ禍もあるので自分で荷物を持って階段で運ぼうとしていたら、道ゆく知らない人が声をかけてくれて、荷物を持って運んでくれました。しかも、1回、2回ではなく何度も。ここは自分で持つことができるので大丈夫ですよ、と断ることも何度かありました。とてもありがたかったです。ちょうど感染者数が減っていたタイミングでマスクの規制も撤廃されていた時期だったこともあり、この部分はこれまで通り変わっておらず、「コロナが気になり手伝わないなんてあり得ない!」という雰囲気を感じました。

コロナはどこへ?結局いろんな人が話しかけてくる

ヴェルサイユ宮殿の庭園では「良かったらあなたの写真を宮殿背景に撮ってあげましょうか?」と可愛い女の子が声をかけてくれました

上記に書いたように一見冷たいと思われがちなフランス人ですが、様々な人種やバックグラウンドを持つ人が集まっている国であるということや、元々のラテン系気質もあるのか、いつでもどこでも話しかけられます。なぜ、どこからどう見てもこの国にゆかりのなさそうな私に聞く?というレベルで何度も道を聞かれることもしばしば。今回、コロナ禍を経て、知らない人同士の関わりはやや少なくなったように感じましたが、ソーシャルディスタンスはなかったことになっているのかというほど、信じられないくらい声をかけられました。

もちろん、パリは各国からの観光客や移民も多いため、国民性という言葉では一概に言えませんが、常時触れ合いを大切にするという、私が個人的に持つフランスの世界観は健在でした。感染対策も大切ですが、ちょっとしたコミュニケーションが豊かな場面に何度も遭遇しました。これまでしばらく、コロナ禍で緊張し続けた生活を送ってきたことから、ほっとする瞬間でもありました。

帰りの空港は歴史的なカオス状態

今回は、往路のAir Franceが定刻出発から始まり、到着時はいつも大行列の空港での入国審査が待ち時間ゼロ、電車や交通機関の乱れも比較的少なめで、滞在中も本当にスムーズでした。コロナ前だと、あちらこちらで小さなトラブルが頻発していました。

例えば、私がコロナ禍前、最後に滞在していた2019年はジレジョーヌと呼ばれる黄色いベスト運動が盛んで、あちらこちら封鎖されていました。今回、コロナ禍を経たフランスはなんとなくピリッとした雰囲気があり、これまでのルーズなフランスが補正されたように感じていたのですが、最後の最後に空港で大混乱に巻き込まれました。

2018年から19年にかけて盛り上がっていたジレジョーヌ運動。この時はマレ地区の大通りとメトロが封鎖されていました

念のための前泊を空港近くで予定しており、名残惜しくもパリ市内に別れを告げて順調に移動。ホテルの窓からは、ヨーロッパ各国の航空機の離着陸が見えるお部屋を満喫。そして翌日、空港へ向かったのですが、2週間前に降り立った静かな空港とは温度感が全く違っており、どこをみても人人人…ほぼ、全員が大量の荷物を抱えています。最近は、前日に「オンラインチェックイン」→「荷物のドロップイン」→「出国審査」→「保安検査」→「搭乗」、という流れが主流ですが、荷物のドロップインではどのカウンターも並んでいる人が通路まで溢れ出しており、出国審査も同様で急いでいる人が雪崩のようになっており、保安検査では定期的にゲートがクローズされ進まない、という状況で、5時間以上かかったかもしれません。飛行機はほぼ全便遅延というなかでしたが、私の乗る予定だった飛行機は保安検査を終えた瞬間に搭乗ゲートがクローズ。乗り遅れてしまったのです!

これは1〜2時間待った後の荷物のドロップイン、この後ようやく係員に声をかけられて急がないとと言われましたが…

そこからも、飛行機の変更手続きに長蛇の列(正確には5番目でしたが2〜3時間待ち!)、通常は最終案内で空港内に流れる案内放送もほとんどなく静かで、空港機能がマヒしていたようでした。周りには日本経由でニューカレドニアに行こうとしていたフランス人家族が多数で代替便を探すのに一苦労していた様子。私の場合は日本へ直行で帰国するのみ、という状態だったので翌日の便に振り替えてもらい、その日は空港近くに1泊することになりました。

その後、紆余曲折ありつつも帰国。そして、荷物は1点届かず(やっぱり)。私の場合は運良く、次の便に載せられて自宅まで配送で数日以内に届きましたが、なんとその便には、搭乗者の荷物がほとんど載せられていなかったそうで、日本の空港もその対応に大パニックだったそうです。

ヨーロッパの空港全般、コロナ禍が一気にあけて通常営業に戻ったはいいものの、スタッフ不足で全く追いついていなかったことが原因のようでした。まだ旅行者の少ない日本では報じられることは少なかったですが、欠航やロストバゲージについては大騒動となっていました。

無事に帰ってくることができて荷物も無事に手元に届き、振り返ってみてだからこそ言えますが、この一連のバタバタを経験して、これぞフランスの真骨頂だと感じました。それと同時に、コロナ禍の終わりが見え始めたのかもしれないと感じる瞬間でもありました。以前のように、1日も早く世界中の人が自由に往来できたらいいなと思っています。