いまや世界最大の動画共有プラットフォームとなった「YouTube」。
今回は、フランスで知らない人はいないほど名の知れたおすすめYouTuberを3名ご紹介します。
特にフランスでは日本にとても興味がある人も多いため、日本の文化を発信しているフランス人YouTuberも多く存在します。フランス語の意味がわかるとさらに動画を見るのが楽しくなりますね。
動画の中に出てくるフランス語の解説もありますのでぜひ最後までご覧ください。
Norman fait des vidéos
http://www.youtube.com/@NormanFaitDesVideos
一人目のおすすめフランス人YouTuberは、« Norman fait des vidéos »(ノルマン・フェ・デ・ビデオ)というチャンネル名で配信している« Norman Thavaud (ノルマン・タボー)»というYouTuberです。チャンネル登録者数は1150万人。フランス全土の中でもトップレベルに登録者数が多く、知名度が高いフランス人YouTuberの一人と言えるでしょう。
かなりの登録者数と再生回数なので、彼のほとんどの動画にはフランス語の字幕が付いています。そのためフランス語初心者の方にとっても字幕付きで見ることができて、とても内容を理解しやすく、フランス語を学ぶという点でもおすすめです。
彼の動画のジャンルは基本的に「comédie(お笑い)」で、フランスでは「comédien(コメディアン)」や「humoriste(直訳するとユーモアのある人)」と言って、日本で言うお笑い芸人的な位置に属します。
彼の動画には自虐ネタが多く、たとえば上記の動画では「イケメンとそうでない自分の場合」を比較し、「イケメンの場合はこんな風に扱われるのに、イケメンではない自分の場合はこんな風に扱われ、世間からはこんなにも扱われ方が違うんだよね」という自虐ネタで動画を作成しています。確かになと納得できる部分が多々あり、とても説得力があって魅力的な内容に仕上がっています。
NORMAN – 10 ATTITUDES DE BEAUX GOSSES
動画内で出てくる役立つフランス語を解説します。
【動画内フランス語解説】
0:10
- Le beau gosse, c’est un leader. (イケメンってリーダーなんだよね。)
- S’il se lève pour partir, tout le monde le suit.(もし彼が移動しようと立ち上がったら、皆彼に付いていくんだよ。)
- Bon, allez, on y va les gars ?(よし、みんな、行こうか?)
- Genre, c’est lui qui décide.(言ってみれば、彼が全部決めるってことなんだよね。)
- Alors que moi, quand j’ai envie de partir, (それに対して僕の場合、もし僕が立ち去ろうとしてもさ、)
- Les gars, allez !(よし、みんな、行こうか!)
【使われている単語】
– Le beau gosse…イケメン
– leader…リーダー
– se lève…« se lever »という使役動詞の三人称単数(彼)=« il se lève »なので「彼が立ち上がる」。
– partir…去る、立ち去る
– tout le monde…みんな
– les gars…(呼びかけで)君たち、皆んな
– Genre…いってみれば、一種の、例えば
– Alors que…〜に対して
0:51
- Le beau gosse, quand il aborde une fille, même s’il utilise la phrase d’accroche la plus banale du monde, ça fonctionne ! (イケメンの場合はさ、彼が女子に話しかける時、たとえ彼が世界一平凡でありきたりなフレーズを使っても上手くいくんだよね!)
- Je peux te payer un verre ?(君に一杯おごっても良いかな?)
- Moi, les seules fois où j’ai essayé d’aborder une meuf avec ce genre de phrase, j’avais juste l’impression d’être un gros pervers !(僕の場合だとさ、一度だけこのフレーズで女性に近づいてみたんだけど、単に強烈な変態になったかのような気分だったよ!)
- Tu veux boire de l’alcool avec moi ?(僕と一緒にお酒を飲まないかい?)
- Allez, bois-en plein, plein si tu veux. Moi, j’ai pas de meuf, mais j’en veux bien une, hein. Allez, viens boire, viens boire avec moi !(ほら、ねえ、たくさん飲んでよ、よかったら!僕は彼女いないからさ、一人欲しいんだよね、ねえ、飲みに来なよ、飲みに来なって、僕と一緒に!)
【使われている単語】
– aborde…動詞« aborder »の三人称単数。「aborder=(女子に話しかけるために)近づく、近づいて言葉をかける」という動詞なので、« il aborde »=彼がune fille(女子)に話しかけて言葉をかける、という意味です。
– même si…たとえ
– la phrase…フレーズ、文章
– accroche…注意を引くもの、うたい文句
– banale…月並みな、ありきたりな
– une meuf…「女子」の俗語。「女」と言う意味ですが少々卑俗で、格調の高い文章には使わない方が良いです。友達(pote)間など、気の知れた仲間内でのみ使用される俗語です。
– gros…かなりの、強烈な
– pervers…変態
– j’avais juste l’impression d’être un gros pervers…« J’ai l’impression de… »で「〜のような気持ちになる、〜のような印象を受ける」と言う意味なので、「僕は単に gros pervers(強烈な変態)になったかのような気持ちになったよ!」という意味です。
– plein…たくさん、いっぱい
Cyprien
https://www.youtube.com/@cyprien
続いては« Cyprien »というチャンネル名で配信している« Cyprien Iov (シプリアン・イオーヴ)»というYouTuberです。
彼はルーマニア人ですが、フランスで生まれ育ったのでフランス語が母国語でとても流暢に話せます。彼の登録者数は1450万人と上記のNormanよりも多く、フランス人だけでなく世界からも登録する人も多いので、彼の動画のほとんどには「日本語、英語、ルーマニア語、ロシア語」などフランス語以外にも多言語の字幕が付いています。
彼の動画も「Comédie(お笑い)」の位置に属します。日常で感じたことや、自信が体験したこと、日々の生活の中で面白いと感じたことなどを面白おかしく動画にして配信しています。
私もかなりの彼の動画を見ましたが、本当によく作られており、またフランス語も通常のフランス人YouTuberよりもはるかに聞き取りやすくて頭に入ってきやすいので、フランス語を学ぶ観点からもおすすめです。
また彼は絵もとてもじょうずで、非常に多才です。
たとえば下記の動画では、彼が日本に行って、感じたことや思ったこと、体験したことを面白おかしく語っています。
Le Japon
日本では日焼けをしていない白い肌は清純の象徴と言われており、それが日傘やサンバイザーをかぶるという習慣につながっていますが、海外ではこのような文化はありません。そのため日本独特の「日傘を指す文化」「サンバイザーをかぶるおばあちゃん」などはフランスではありえないので、Cyprien自身が日本に行って驚いたことなどを面白おかしくネタにして語っています。
日本に行ったことのあるフランス人なら納得できる部分が大いにあるはずですし、私たち日本人からしても「そうか、こう言う文化は日本だけなのだな」と再発見させてくれたり、とても興味深く見ることのできる動画になっています。
日本語の字幕が付いている動画も多いので、ぜひ「フランス語ー日本語」と字幕付きで合わせて見てみてください。きっと役に立つ表現がたくさん見つけられるはずです。
CYPRIEN – LES PUBS vs LA VIE 2
上記のビデオも大変おすすめです。「LES PUBS vs LA VIE 2(pubs…コマーシャル、la vie…現実)」というCyprienとNatooというフランスの2大YouTuberが共演している有名なシリーズで、一度「LES PUBS vs LA VIE」が配信されたあと大変反響があり、現在シリーズ化されています。
内容はCMで流れている放送と、実際(現実)との比較です。CMではこう流れているけれど、実際にあったらこうなるよね、という誰もが納得できる要素をとても面白く構成しており、大変おすすめのシリーズです。脚本・構成など全てこのCyprienが行っており、彼のコメディアンとしてだけでなく、卓越した人を楽しませる能力と独特の個性ある才能がうかがえます。
Natoo
https://www.youtube.com/@Natooyt
続いては« Natoo »というチャンネル名で知られている« Nathalie Odzierejko »というYouTuberです。
彼女はポーランド系フランス人で、お母さんがポーランド人、お父さんがフランス人というハーフです。彼女もフランスで生まれ育ったので、フランス語が母国語です。
彼女の動画ジャンルも、上記の2人と同じくコメディ(お笑い系)です。
自身が体験したことや、日常生活の中で思っていること、感じたこと、また旅行などで経験したことなどを面白おかしくネタにして配信しています。登録者数は517万人と女性YouTuberにしてはとても多く、特にフランス人女性から圧倒的な支持があります。
彼女の動画はどれも本当に面白く、老若男女問わずどんな世代の人にでも受け入れられる面白さがあると思います。
上記2人のYouTuberと同じく、視聴者が「確かに、なるほどな」と納得してしまう説得力のある動画が多く、彼女の動画もほぼ全てがフランス語字幕が付けられておりますので、フランス語のボキャブラリーを増やすという意味でも大変おすすめです。
まとめ
今回はフランス在住の筆者おすすめするフランスの大人気YouTuberを3名ご紹介しました。
彼らに共通して言えることは、日常の何気ないことなどにも面白味を感じられ、幸せや楽しみを見つけることのできるユーモアセンスのある人たちということですね。物事を一方面からだけでなく、多方面から見られる視野の広さを持っている人とも言えます。だからこそ、視聴者にも受け入れられやすく、それが登録者数にも反映しているのでしょう。
上記3名の動画はどれも本当に面白く、楽しみながらフランス語の表現を学ぶことができます。フランス人が日常的にどんなフレーズや表現を頻繁に使っているのかなども発見できますし、フランス語の字幕と共に彼らの口の動きに合わせて毎日こつこつ動画を見ていくというのも、非常に効果的でおすすめなフランス語習得方法の一つです。
今後も有益で役に立つ情報を発信していきますので楽しみにしていてくださいね。