パリの街中で見かける広告でフランス語を学ぼう

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街中で見かける広告はおしゃれなキャッチコピーや表現を学ぶことができるフランス語学習には最適な教材です。
今回はパリの街中で見かける広告のフランス語をご紹介&解説していきます。
2024年6月、現地パリ在住のライターが撮影した生情報ですので、最新のフランスを知ることができます。

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目次

« La protection solaire efficace et plus respectueuse des océans »(海の環境に配慮した効果的な日焼け止め)

まずはこちらの薬局前にある看板。セクシーな女性が太陽の紫外線に関係する何かを宣伝しているように見えますね。書かれてある文字を見ていきましょう。

« La protection solaire efficace et plus respectueuse des océans »(海の環境に配慮した効果的な日焼け止め)

【使われている単語・表現】
・protection=保護
・solaire=太陽の
・efficace=有効な、実効のある、効率的な、有能な
・plus=より、もっと
・respectueuse de=…を尊敬している、尊重する
・océan=大洋、大海、海洋。海を思わせるもの、という意味も持ちます。たとえば « océan des blés »で「一面の麦畑」という風にも使います。

« La Rpsée »というフランスの化粧品メーカーの広告です。« La protection solaire »で「日焼け止め」という意味を持ちます。直訳すると「海(海洋)という環境によりいっそう考慮された効果的な日焼け止め」という意味です。

調べたところ、このLa Rpséeの日焼け止めは海洋生物(海にいる多様な生き物)に影響を与えない、とても優しい配合で作られているというコンセプトが売りの日焼け止めメーカーのようです。

通常の日焼け止めは、海やプールなどの水に流れ出すと、有害な添加物なども一緒に溶け出してしまい、海の中の生物に悪影響が出てしまうというリスクがあります。
しかしこちらの日焼け止めは、水に溶けても一切海の生き物たちに有害な物質を放出しない配合でできていて、サンゴと藻類に対する厳しい生態学的なテストでは「海洋生物に対して非毒性である」という結果も出ているようです。

SPFは50+と高く、紫外線による影響から顔や体を守りつつ、海洋物にも配慮している、とても地球と環境に優しい日焼け止めである、ということがアピールされています。

単に「お肌を紫外線から守る」という売り文句だけではなく、なぜこれがおすすめなのか、という理由がこの短いフレーズの中にきちんと説明されており、環境問題に熱心なフランスらしさも出ていて、とても興味深いですね。

Compétitions avant-premières rétrospectives masterclass live et DJ sets(試写会、回顧展、生ライブ、DJセットをお見逃しなく!)

続いてはこちらのメトロの中にある広告。

【使われている単語・表現】
・Champs-Élysées Film Festival=シャンゼリゼ映画祭
・13ème édition=第13回目の
・indépendant=自立した、独立した
・Français et Américain=フランス(映画)とアメリカ(映画)
・compétitions=競争、対抗、試合
・avant-premières=(映画・演劇・展覧会の)試写会、試演会、下見会
・rétrospectives=過去にさかのぼる、回顧的な、懐旧の、(映画・テレビの)フラッシュバック、回顧展
・masterclass=マスタークラス

上に大きく書かれてある『Champs-Élysées Film Festival(シャンゼリゼ映画際)』は毎年行われるパリの映画祭で、2024年の今年は第13回目の開催です。パリ市内の映画館で、アメリカとフランスの多種多様な映画が上映されるので、ぜひ観に来てくださいという広告です。
映画の試写会(avant-premières)や回顧展(rétrospectives)、生ライブやDJなどの多様なプログラムが用意されていると書かれています。

右に書かれている« Le Balzac, Le Lincoln, Publiciscinémas »などはパリにある映画館の名前です。

« compétitions »は競争という意味ですが、パリ市内の有名な映画館で合計80本以上の映画が上映されるので、「お見逃しなく!」という意味が込められているためこのような表現が使われています。

デザインはモノクロで統一されているにも関わらず、格好良くセンスの良い感じがするのもさすがパリといった印象を受けますね。

Enfiler vos chaussures n’a jamais été aussi facile.(靴を履くことがかつてないほど簡単になりました。)

続いては薬局の前にあるこちらのポスター。

(書かれてあるフランス語)

Pas besoin de se pencher. Ne touchez pas à vos chaussures.

Il suffit simplement de les enfiler.

Voici les nouvelles Skechers Hands Free Slip-ins. Enfiler vos chaussures n’a jamais été aussi facile. Ne vous baisser plus. Plus de tracas.

(日本語訳)

かがむ必要はありません。靴に触れないでください。

ただ履くだけでいいのです。

これが新商品スケッチャーズの新しい「ハンズフリー・スリップ-イン・シリーズ」です。靴を履くのがかつてないほど簡単になりました。もう身をかがめなくてよく、何も気苦労など要りません。

【使われている単語・表現】
・Pas besoin de=…する必要がない
・se pencher=傾く、身をかがめる
・toucher=触る ※この場合はNe touchez pas(Ne…pasで〜ない、否定系)なので触れないでください(触れる必要はもうありません)という意味です。
・Il suffit =…するだけで充分
・simplement=単純に、簡単に、ただ単に
・enfiler=(衣類などを)身につける ※この場合は「(靴を)履く」という意味になります。
・vos chaussures =vos(あなたの)靴
・jamais =決して〜ない
・aussi=こんなにも
・facile=簡単
・baisser =身をかがめる ※Ne…plusで「もう…ない」という否定系なので「もう身を屈めないでください(屈める必要はもうないです)」という意味です
・tracas =気苦労、心配

日本でもお馴染み «Skechers» という靴のブランドで、新商品の靴のタイプがかかとをとても靴の中に入れやすい設計にしてあるので、もうかがんだり、靴に足を入れるために時間をかける面倒もありません、ということをアピールしている広告です。
「このような設計がしてありますよ」という単なる商品説明ではなく、「靴に触れないでください」から始まるのがなんともユニークですね。

まとめ

パリの街中には、興味深いフランス語に触れられる広告で溢れています。

特にメトロ(電車)に乗る習慣がある人は、駅の中や車内で毎日のようにポスターや広告を目にすることになるでしょう。
そのため、自分では意識していなくてもその単語やフレーズを頻繁に目にすることで「この表現よく見るな、どういう意味だろう?」と好奇心を駆り立てられること間違いなしです。そして意味を調べて「なるほど、そういう意味だったのか!」と理解できた時、言葉では表現できないほどの達成感があります。

フランス語は日本語と同じようにたくさんの表現があるので、こつこつ学ぶことで物事を違った観点から見ることができたり、視野が広がったりするので大変おすすめです。またこのように現地の広告から学ぶこともたくさんあります。

ぜひパリにいらっしゃる機会があれば、街中や薬局・スーパーなどに面白い看板や広告がないか探してみてくださいね。

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この記事を書いた人

フランスへピアノの音楽留学のために渡仏し、フランス人パートナーとパリに住んでいます。可愛い雑貨やアンティーク、手芸屋さんなど可愛い物が大好き。おしゃれなカフェやおすすめレストラン探し、フランスらしい風景を写真撮影するのが趣味です。
在仏歴10年、パリガイド歴7年以上。
住んでいる人しか知らない隠れ家的スポットやおすすめ情報などをぜひご紹介していきます。

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