パリ市バゲットコンクール
フランスの食卓に欠かせないバゲット。パリ市では最もおいしいバゲットを決めるべく、毎年「バゲットコンクール」を開催しています。パリ市民もコンクールの結果には注目していて、優勝者のパン屋にはバゲットを買い求める人の行列ができるほどなんです。
今年も5月にコンクールが開催され、上位入賞者が発表されました。優勝したパン屋で実際にバゲットを購入してきたので、今回はその感想も含めバゲットコンクールのご紹介をしたいと思います。
バゲットコンクール2023年の優勝者は?
さっそく、今年の優勝者および入賞者を発表したいと思います。
(※入賞者氏名【パン屋の名前】)
1位:Tharshan Selvarajahさん【Au Levain des Pyrénées】
2位:Thierry Guyotさん【Boulangerie-pâtisserie Guyot】
3位:Jocelyn Lohezicさん【Maison Lohezic】
4位:Benjamin Turquierさん【Tout Autour du Pain】
5位:Florian Bleasさん【Aux Délices de Vaugirard】
6位:Frank Tombarelさん【Le Grenier de Félix】
7位:Kilani Ounissiさん【Boulangerie Kilani】
8位:Maxime Julienさん【Les Saveurs de Lévis】
9位:Mohkam Karouiさん【Le Temps d’une Gourmandise】
10位:Kouni Elayebさん【Le Délice de Bagnolet】
優勝したのは20区にあるパン屋「Au Levain des Pyrénées 」のTharshan Selvarajahさんでした!
Tharshanさんはスリランカ出身で、もともとはレストランで働いていましたがパン職人へ転向。Au Levain des Pyrénéesでパンの作り方をゼロから学び、コンクールで優勝するまでになったのだそう。
全く食文化の違う国からやってきてゼロからパン作りを学び、パリで一番おいしいバゲットと認められるなんて、すごい努力ですね。
優勝者には賞金と副賞が
優勝者には、賞金4,000€と一年間大統領官邸エリゼ宮の公式パン職人となってパンを納品する栄誉が与えられます。それに加え今年の優勝者から、一年間パリ市庁舎の公式パン職人というポストも与えられます。
優勝直後はお店にはたくさんのお客さんが来るため大忙しです。さらにエリゼ宮やパリ市庁舎にパンを納品するのは名誉なことであると同時に責任重大。優勝者はてんてこまいの一年となりそうです。
バゲットコンクールの審査基準は?
今年のバゲットコンクールでは、126本のバゲットが審査員たちの前に並びました。審査員はどんな審査基準に基づいて審査するのでしょうか。
まず審査を受けるには、バゲットが以下のような基準を満たしている必要があります。
- 長さ:50〜55cm
- 重さ:250〜270g
- 小麦粉1kgに対して18gの食塩を含んでいること
今年、コンクールに持ち込まれたバゲットは176本ありましたが、この基準を満たし実際に審査へ進んだのは126本だったそう。
そして審査員たちは、焼き加減や断面・見た目の美しさ、香りや味の観点から審査します。審査員のなかには6人のパリ市民も含まれています。市民の意見も反映されているのがいいですよね。
優勝バゲット食べてみた!
優勝したバゲットを食べるべく、Au Levain des Pyrénées へ行き実際にバゲットを購入してみました。コンクールから10日以上経っていましたが、お店の前にはバゲットを買い求める人の列ができていました。コンクールの影響の大きさが伺えます。
少し待った甲斐があり、幸運にも焼き立ての温かいバゲットを購入することができました。バゲットの香ばしい香りがふわっと漂ってきて幸せな気持ちになります。そして味ももちろんおいしかったです。中はもっちりふんわりしていて、外側はパリッとしていて最高の食感でした。
パリへ行かれる方は、コンクール入賞バゲットをぜひ食べてみてくださいね。
《Au Levain des Pyrénées》
所在地:44 Rue des Pyrénées, 75020 Paris
最寄り駅:メトロ9番線 Maraîchers駅