こんにちは、カナダフランス語圏ケベックに住む「みあ」です。
個人の多様性やあり方を尊重しているカナダでは、トランスジェンダーやノンバイナリー、LGBTQにも理解が深く、一人ひとりが自分らしく生きることができる国だと、私自身5年間の滞在を通じて痛感しています。
私が働く中学校にも、女子生徒が男性として生きることを告白し、通称名を変えた子がいます。その日のうちに校内全体が彼を認知し、学校全体で彼を支援する光景を目にし、他人に対する思いやりに満ちた国だと感じました。
男女共用トイレが増えてきているケベック
ケベックの公共施設やレストラン、お店では、男女共用トイレが増えてきています。
最近ではトイレだけでなく更衣室も共用となる場所があり、以前は考えられなかったような状況に直面し、少し戸惑った経験があります。また、この潮流が広がっているのか、ケベックの男女別トイレを利用する際に、女性用トイレに男性が出入りしているのを見かけたことがあり、多少の違和感を覚えました。
そんなケベックで去年の秋ごろから物議を醸していた公立学校での男女共用トイレ。
私の娘の公立小学校でも去年に改装され、新しくなったトイレは男女共用スタイルです。子供たちは、男女別のトイレと共用トイレが両方存在するわけではないため、必然的に共用トイレを使用する必要があります。娘によれば、共用トイレにはドアがあるので問題はないと言いますが、改装の当時は利用に戸惑う友人もいたと話していました。そして、この点については学校への送り迎えをする親たちの間でも懸念の声が上がっていました。
男女共用トイレ反対の声
市民の反対の声が昨年秋に高まり、それに応えてベルナール・ドランヴィル教育大臣が学校での男女共用トイレを禁止する意向を表明しました。その理由は、「思春期を迎える若者たちは、男子と女子にはそれぞれプライバシーを守るための空間を守る必要があるから。」でした。例えば生理が始まった10代の女の子たちはその必要性が守られる必要があると述べています。
一方、ケベック州LGBT評議会は、「男女共用のトイレはトランスジェンダーやノンバイナリーの生徒が排除されることがなくなり、個人のプライバシーが守られる設計になっている(通常のトイレのドアは足元が見える長さになっているが、共用トイレは完全に見えない個室となっている)」と主張しています。
そしてついに…
長く討論が繰り返されていたこの話題について、今月初旬に教育大臣のベルナール・ドレンビル氏は、公立学校における男女共用のトイレおよび更衣室を今後禁止する旨(「学校建物の建設または改修プロジェクトでは、男女の区別がない共用のトイレおよび更衣室は設計してはならない」)の大臣指令を出しました。
これに対し、ケベック州LGBT評議会のジェームズ・ガランティーノ事務局長は、教育大臣が賢人委員会の勧告を待つことを拒み、今回急にこの決定を下したのか理解しがたいと述べ、非難しています。
私たちの周りでも賛否両論だったこの話題ですが、皆さんはどう思われますか?
地元のニュースを参照記事としてご紹介します。フランス語ですが、ぜひ読んでみてください。
le journal de québec『Les toilettes mixtes dorénavant interdites dans les écoles publiques』