こんにちは。フランス語圏カナダのケベックに住んでから5年が経ちました。家族共々、子育てしやすいこちらのスローライフが気に入っています。
今回は、こちらの公立の小学校に子供を通わせて驚いたことをまとめて紹介します。ちなみに、私自身はフランス・日本・カナダの教育機関で働いたことがあるので、教育者目線からも紹介できたらと思います。
おやつの時間がある
こちらで驚いたことの一つが、おやつ(collation)の時間を設けていることです。
朝8時に登校し、少しゆっくりしてから9時から10時くらいにおやつを食べます。また午後、学童利用のお子さんは15時におやつの時間があります。
おやつは各自家から持参するか、学校に事前にお金を払って支給してもらいます。
こちらに駐在で住む日本人のお子さんもこのおやつの時間が病みつきになって、日本に帰りたくないと話していました。ちなみに、勤務していたフランスの学校では朝のおやつはありませんでしたが、15時のおやつ時間は同様に設けていました。
子どもだけの集団登下校はタブー
こちらでは、10歳以下の子供が大人の監視なしで行動することは育児のネグレクトとみなされることがあるので要注意です。
登下校には親など大人が付き添っていることがほとんど。そのため、日本のように子供だけで登校することはありえません。
ちなみに、大体の年齢ですが、8歳以下の子供が公園で一人で遊んでいるのを見ることはほとんどありません。
子供が一人でお留守番をしたり、隣の友達の家に行くなんていう光景を近所の人が見たら、通報されることもあります。
昼食時に帰宅する子供
昼食は親が給食・お弁当・家で食べさせる、から選ぶことができます。
私は日本の教育を受けていますが、小学生のころ、クラスの子みんなで給食を盛り付けて食べるのが楽しみでした。
でもここカナダでは、選択制なのでみんなで一緒に食べることはできません。
例えば、親が迎えに来て家にお昼を食べに帰る子、食堂で食べる子、持参したお弁当を食べる子がいます。ちなみに私はお弁当を持たせています。毎朝大変です。
なお、昼食時は担任の先生とは別の教育者が生徒たちと一緒の時間を過ごします。
(先生のための)月に一度以上の教育休暇
先生が教案作りの時間を確保するために、月に一回以上「congé pédagogique」という休暇があります。
この休暇中、子供たちは先生の手から離れるため、先生にとっては非常にありがたい時間です。そのため、こちらの教師は子供が帰宅する15時前後に退勤します。少し残業をすることがあっても、18時以降に学校に残っている先生はいません。労働者に優しい制度が整っています。
このような休暇制度があることで、教師たちも教案作りや自己研鑽に集中できる時間が確保され、教育の質の向上にも繋がります。仕事で子供たちを見ることができない親にはありがたくない制度ですが、有料の学童が開かれたり、子育て世代の理解があるカナダでは、職場の人と相談し、そういう日は休暇をもらっている人も多いです。ちなみに夏季休暇も2か月半と長めです。
先生のストライキで休校が3か月に及ぶことも
労働者の権利といえば、ケベック市では去年の秋に多くの公立の小中学校が3か月休校されました。理由は教師のストライキでした。これには親の私も困りました。しかし、結果として労働条件が改善されたので、やはりストライキで一致団結して不満を示すのは有効な手段ですね。
教科書がない
ケベック市の小学校は教科書がありません。先生がプリントしたものをファイルして使っています。ちょっと驚きです。
いかがでしたか?ケベックの教育制度について、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。これからも、子育てや教育についての情報を発信していきたいと思います。もし何か質問やご意見がありましたら、ぜひお知らせください。