日が長くなり、夜遅くまで明るくなってきたフランス。先日、夜に行われるイベント「Nuit européenne des musées（ヨーロッパ夜の美術館）」が開催されました。今回、初めてヨーロッパ夜の美術館に参加してみたので、その様子をご紹介したいと思います。
Nuit européenne des musées（ヨーロッパ夜の美術館）って？
ヨーロッパ夜の美術館とは、美術館などの施設が夜間に特別に開放されるイベントです。“美術館”とありますが、開放されるのは美術館だけではありません。コンシェルジュリーやヴェルサイユ宮殿、図書館などのような文化施設も含まれています。
うれしいのは、ほとんどの施設が無料で入場できること。また、ガイド付き見学やカンファレンスなど、特別なプログラムを用意している施設もあります。夜のイベントですが、子ども向けの体験教室なども用意されていて、家族で楽しめるイベントです。
フランス国立図書館 リシュリュー館に行ってみた
せっかくの機会なので、わたしもイベントに参加してきました。わたしが行ってきたのは、フランス国立図書館のリシュリュー館。
リシュリュー館はパリ市内に5箇所ある国立図書館のうちの一つです。6年にも及ぶ改装工事を経て、昨年ようやく再開館したばかりなんです。オーバル型の広い閲覧室が有名で、ずっと行ってみたいと思っていたのでこの機会に行ってきました。
開館は18時30分で18時50分ころに到着しましたが、すでに長蛇の列！25分ほど待って、やっと入館することができました。無料ということもあり、人気の施設は行列必至のようです。
オーバル型閲覧室
その広さと美しさに圧倒されるオーバル型の閲覧室。天井の高さは18ｍもあり、オーバル型の天窓からたくさんの光が差し込んでいました。天井部分には細かい装飾が施されていて、見惚れてしまうほどの美しさです。こんな美しい空間で本を読んだりできるなんて、なんて贅沢なんだろうと思いました。
蔵書はマンガから芸術や歴史などさまざまな分野に及ぶ約2万冊が並んでいます。特にマンガは充実していて、約9千冊もの蔵書があるそう。
改装の際にデジタルで蔵書や美術品を閲覧できるシステムが導入されていて、最新技術を取り入れた閲覧室になっていました。しかも、そのデジタルシステムは日本のものだそう。
美術館
リシュリュー館は閲覧室のほかに美術館も併設しています。美術館は普段は有料ですが、この日は無料で入場することができました。
美術館はいくつかの部屋に分かれていて、注目なのがGalerie Mazarin（ギャラリー マザラン）です。天井画が美しく、とても貴重な美術作品を展示しています。繊細なモノが多いので、4ヶ月毎にメンテナンスのために作品の入れ替えをしているそう。
この日はちょうど入れ替えのタイミングだったためギャラリーの入口部分までしか入れませんでしたが、美しい天井画はしっかり見ることができました。天井画はもちろん、壁も一面凝った装飾で重厚な雰囲気が漂っていました。
以前は研究者や学生しか利用することができなかったオーバル型の閲覧室ですが、改装工事以降は誰でも無料でアクセス可能となっています。美術館はチケット（10ユーロ）を購入の上、見学可能です。興味のある方はぜひ行ってみてくださいね。
◇フランス国立図書館 リシュリュー館
所在地：5 Rue Vivienne, 75002 Paris
公式サイト：BnF Richelieu
見学を終えてリシュリュー館を出ても、まだ入場待ちの列ができていました。施設によって閉館時間は違いますが、ほとんどが23時頃まで開いているので、遅い時間に行くともっと空いていると思います。
この時期のフランスは、21時を過ぎても明るいほど日が長いです。せっかく夜のイベントなので、空いているうえにいつもと違う雰囲気が楽しめる遅い時間帯に行ってみるのがおすすめです。
