美食の国・フランス。芸術の都としても知られていますが、同じように「食」文化、グルメの知識においては世界トップレベルです。豊かな美食の伝統「art de vivre(アール・ド・ヴィーヴル:artは技術・芸術、vivreは生活や生き方)」の国としても知られており、フランスのガストロノミー(美食術)は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されるほど。
「美味しいものを食べる」ことへのこだわりは、人一倍思い入れが強いのでしょう。フランス人はそのような理由から一日の食事をとても大事にします。
今回はそんなパリの本格フレンチレストランの中から、パリ在住日本人が厳選したおすすめのフレンチレストランを4つご紹介します。
L’Absinthe
オペラ通りとヴァンドーム広場の間に位置する、本格フレンチレストラン。
店内の内装がとっても素敵で、まるで駅の一角のように大きな時計が壁にかかっていて雰囲気も抜群です。本格フレンチなのに全く気取った雰囲気はなく、一人でも入りやすいです。お値段もお手頃で、お料理の質も良く、店内は落ち着いた雰囲気です。地元の人から愛されるフレンチレストランとして雑誌マリ・クレールに掲載されています。
メニューは季節ごとに変わりますが、子牛の柔らかいステーキから、ビーツとタコのサラダ、イベリコ豚、牛肉の*ブラックアンガス、子牛肉、フォアグラなど本場フレンチらしいメニューです。またデザートにはパリ・ブレストやタルト・タタン(アップルタルト)なども楽しめます。
またこのお店は英語のメニューもあるので、日本人にもおすすめです。店員さんによっては日本語を話せる店員さんも(!)。カタコトですが、フランス人の方が頑張って日本語を話そうとしてくれているのは私たち日本人にとっても嬉しくてほっこりします。
日本人になじみのあるオペラやピラミッド地区から近く、お値段もお手頃なカジュアルフレンチです。お料理の質も良く、地元の人からの評判も良いです。リーズナブルな価格で本格フレンチを堪能したい方はぜひ一度訪れてみてくださいね。
*アンガス牛は、牛の品種の1つで肉牛として飼育され、アンガス牛、アンガス・ビーフとも呼ばれています。スコットランドが原産地で、やわらかい肉が特徴です。この牛の出現により牛肉料理は煮込み主体から、ステーキのような料理が広まることになりました。
お店の名前 | L’Absinthe |
住所 | 24 Pl. du Marché Saint-Honoré, 75001 Paris, フランス |
Webサイト | http://www.restaurantabsinthe.com/ |
営業時間 | 月~金:12:00~14:15・19:00~22:00、土:19:00~22:00、日曜日:定休日 |
Le Minet Galant
パリ2区のオペラ通りとパレ・ロワイヤルの間ぐらいに位置する、ひときわおしゃれなフレンチレストランです。外観も内装もとっても素敵で、まさにパリらしいレストランそのものです。職業柄、今までに結構フレンチをご一緒させていただく機会がありましたが、こちらのレストランでのお料理は本当に美味しく上品で印象に残っています。
本場フレンチなだけあって、シェフはもちろんフランス人。オーダーを受けてから作り始めてくれます。
エスカルゴ(ブルゴーニュ産)、テリーヌ、牡蠣のタルタル、子牛の腎臓や牛肩肉の*ブルギニョン(Bourguignon)、ズッキーニのリゾットなどお肉やフレンチらしいレシピも満載です。パリの名物「オニオングラタンスープ」も堪能できます。
またこちらのレストラン、ワインの種類もとても豊富でロゼワイン、赤ワイン、白ワイン、シャンパンから選べてワインの産地も豊富(ブルゴーニュ・ボルドー・ボジョレー・ロワール渓谷)。ソムリエのおすすめも選んでいただけます。ワイン好きの方にはぜひ一押しです。
もちろんデザートにはタルト・タタンやクリームブリュレも楽しめます。まさに王道フレンチコースを楽しめて、しかもお値段もお手頃。
レストランの位置する場所は、パリの日本食街・Rue Sainte-Anne(ルー・サンタンヌ)が近くにあることからもおすすめです。ぜひオペラや日本食街の近くへ来ることがあれば訪れてみてください。
*ブルギニョン(Bourguignon)…ブルゴーニュ地方の郷土料理ブッフ・ブルギニョン(Bœuf Bourguignon)。ブッフは牛肉、ブルギニョンとはブルゴーニュ風という意味で、赤ワイン使って牛肉をじっくり柔らかく煮込んだ、フランスのブルゴーニュ地方のフレンチ料理です。
お店の名前 | Le Minet Galant |
住所 | 8 Rue Monsigny, 75002 Paris |
Webサイト | https://www.leminetgalant.com/ |
営業時間 | 火~金:12:00~15:00、19:00~23:00、土:19:00~23:00、日月定休日 |
ALMA
オペラ通り(Avenue de l’Opéra)のすぐ側にあるPassage Choiseul(パッサージュ・ショワズール)の中にあるフレンチレストラン。店内が本当に可愛くておすすめです。観葉植物で飾られ、壁は少しレンガのブルックリン調でいかにも海外のレストラン!という感じ。
実はこのレストラン、カフェ兼レストランで、ブランチ(朝ごはんとお昼ご飯のセット)オンリーなので夜は営業していないのですが(夕方まで営業)、ぜひ行ってみる価値ありです!
アボカドトーストや目玉焼きの乗ったクロックマダム、サーモンとクリームチーズのバゲットなどどれも本当に美味しくておすすめです。個人的にはアボカドトーストが美味しくておすすめ。
最後にはデザートが選べますが、ブランチなだけにまたデザートの種類も豊富。タルティーヌや季節のサラダなどもあり、健康志向の人にもぴったりです。
オペラ近くまで来る機会があればぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
*パッサージュ(Passage)…パッサージュは屋根がついた通りのことで、日本の商店街のような感じの屋根のある通りのことです。パリにはこのようなパッサージュがいくつもあり、美しい装飾がない間に施されたものもたくさんあります。
お店の名前 | ALMA |
住所 | 72 Pass. Choiseul, 75002 Paris |
Webサイト | https://www.restaurant-alma.fr/ |
営業時間 | 月~金:10:00~16:00、土:11:00~17:00、日曜日定休日 |
La Rotonde
画家や芸術家たちが愛してやまない、リュクサンブール公園の近くにあるパリの老舗レストランです。
芸術や文学の中心が、モンマルトルからモンパルナス界隈へ移り変わった1920年代にピカソや藤田嗣治、モディリアーニ、シャイム・スーティンなどの芸術家や画家たちが多く通っていたことでも有名です。真っ赤な外観と、店内にはモディリアーニの絵画が飾られています。
このレストランで上記の有名な画家や芸術家達が、美味しいフレンチを食べながら夜な夜な語り合っていたことを思うと、なんだか感慨深いですね。またこちらは噂によるとフランスのマクロン大統領も御用達のレストランのようです。
パリガイド時に一度訪れる機会がありましたが、ステーキもエスカルゴもホワイトアスパラも予想以上に美味しかったです。
またこのレストランには日本語のメニューもあり、とても注文しやすいです。店員さんのうちの一人に、日本語が話せる店員さんも居ます。
伝統的なフランスの良さが受け継がれていながらも、そのサービスは素晴らしく、また魚介料理も新鮮で、使用されている素材もエシレバターや天然酵母パンなど、素材においてもこだわっています。お料理の質も良く、でも価格はリーズナブルなのも嬉しいところ。
歴史を感じる内装と雰囲気の良さ、芸術家の御用達レストランであっただけに絵画でアートな店内。どれを取ってもパリらしく、絵になります。また日曜日でも営業しているので安心です。
モンパルナス界隈に訪れた際は、ぜひ一度訪れてみる価値はあります。
お店の名前 | La Rotonde |
住所 | 105 Bd du Montparnasse, 75006 Paris |
Webサイト | https://larotonde-montparnasse.fr/ |
営業時間 | 月~日:7:30~0:00 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はパリ市内に多数あるフレンチレストランの中でも、下記の条件を満たしたものだけを厳選してセレクトしました。
- 日本にはまだない(日本未上陸)
- お値段がお手頃にも関わらず、お料理の質が良い
- 内装・インテリア(装飾)にこだわっていて素敵
- 雰囲気が素敵でパリらしさを楽しめる
- お料理が本当に美味しい
数あるフレンチレストランの中でも、今回ご紹介したレストランは自信を持っておすすめできます。ぜひ近くまで来た際には立ち寄ってパリジャン・パリジェンヌ気分で本格フレンチを堪能してみてくださいね。