1話30分以内、90年代にフランスで大人気だったドラマ『Premiers Baisers』第一話を解説付きでご紹介

今回は『Premiers Baisers(Premiers =最初の、Baisers=キス。直訳すると初キス)』という90年代にフランスでとても人気だったドラマをご紹介します。

以前、フランス色の強いTVドラマシリーズ『Hélène et les garçons』をご紹介しましたが、『Premiers Baisers』も制作会社はこのドラマと同じAB Productionsです。

あわせて読みたい
フランスの大人気ドラマ『 Hélène et les garçons 』のご紹介と表現解説 皆さんは『Hélène et les garçons 』というフランスのドラマシリーズをご存知でしょうか? 引用:https://www.purefrance.com/en/blog/helene-et-les-garcons 1992年に...

脚本家Jean-François Porry(ジャン=フランソワ ポリー)によって制作され、1991年から1995年までフランスで放送されました。当時大変人気で、かなりの視聴率を記録しており、フランスではとても有名なドラマです。

こちらも『Hélène et les garçons』と同様、とてもフランス色の強いドラマで、フランス人の個性豊かな表現や独特のユーモアを垣間見ることができます。

あらすじは、高校生のJustine(ジャスティン)とその友人たちの日常生活を描いた、ほのぼのとしたコメディ風ドラマです。笑いあり、涙ありのハートウォーミングなストーリーで、その時間になると家族でテレビの前に座って一緒に暖かい時を過ごす、当時のフランス家庭の間でとても普及したドラマシリーズでした。

一話が30分以内と大変短く、すぐ見終わることができるのでだれることなく楽しめます。

今回はこの『Premiers Baisers』から第一話をご紹介するとともに、ドラマの中で出てくる面白い表現を解説付きでご紹介します。

ためになるフランス語表現がたくさん出てきますのでお見逃しなく。

フランス語会話学習サイト Coucou!
フランス語会話学習サイト Coucou! ”Coucou!(クク)”は「もっとフランス語を話せるようになりたい」という願いを叶える日本唯一のネイティブ会話に特化したフランス語学習サイトです。
目次

Pas mal non ?(かなり良いでしょ?)

物語は主人公の女の子Justine(ジュスティン)と親友のメガネの少女Anette(アネット)が話しているところから始まります。超格好良いイケメン転校生Luc(リューク)に一目惚れしてしまったアネット。彼がどんなだったか、興奮気味にジュスティンに話します。

そこへLucとライバルの女子Isabelle(イザベル)が登場します。Luc(リューク)について女子たちが話している場面です。

«3:08»

  • C’est qui ? (誰なの?)
  • Un copain. Pas mal non ?(友達よ。かなり良いでしょ?)

“mal” は「悪い」という意味です。”Pas” は「…ではない」という否定なので、直訳すると「悪くない」。ですがフランス語で” Pas mal” は「めちゃくちゃ良い、かなり良い、最高」という意味で大変よく使われます。レストラン、日常生活、学校など様々な場面で日常的に使われる表現です。

例)Écoute cette musique elle est pas mal !

この音楽聴いてみて、かなり良いよ!

divinement bien (すばらしく上手いわ)

«3:23»

  • Il chante ?(彼は歌うの?)
  • Oui bien sûr, divinement bien.(ええもちろんよ、すばらしく上手いわ。)

divinement は 「神々しく、見事に、素晴らしく」という副詞です。

“divine(e)” 「という神の、神による、神への」という形容詞から来ています。

例)Divin Endant(神の子。幼子イエスのこと)/musique divine(崇高な音楽)/Cette omelette est divine !(このオムレツは絶品だよ!)

Il est fou de moi.(彼は私に夢中なの)

«3:27»

  • Ah… et, il a une petite amie ?(それで、彼は彼女はいるの?)
  • En vérité, il est fou de moi.(正直なところ、彼は私に夢中なのよ。)
  • Je l’ai rencontré samedi soir, en allant acheter des discs, et depuis, il me quitte plus.(土曜日の夜、CDを買いに行った時に彼に出会ったんだけど、それ以来、彼は私からもう離れようとしないのよね。)

Il est fou de…(誰々)” は「…に夢中、惚れ込んだ」という意味になります。ここではライバルの女子イザベルが、女子2人にLucを取られないように「彼は私に夢中なの」と見栄を張ります。

※主語が女性の場合は“Elle est folle de…(彼女は…に夢中)” になります

Il sait embrasser.(彼はキスが上手なの)

«3:37»

  • Ah, bah écoute Isa, je suis vraiment contente pour toi. Depuis le temps que tu cherchais un copain… et puis comme ça, tu arrêteras de ton Jérôme. (へえ〜そうなの、本当に嬉しいわ。あんたずっと彼氏を探してたもんね。あっしかもそうすれば、もうジェロームなんか必要もないもんね。)※Jérome(ジェローム)は主人公のジュスティンの彼氏です。
  • Je te laisse ton Jérôme, c’est un petit garçon. Luc c’est un homme, il est guitariste, il travaille, et… il sait embrasser.(ジェロームなんかあんたにくれてやるわ、あんなのちっちゃいガキよ。リュークは大人の男性なの。彼はギタリストだし、働いているし、それに…彼はキスが上手なのよ)
  • E…embrasser ?(キ…キス?)
  • Jérôme embrasse très bien.(ジェロームだってキスが上手よ!)
  • Ma pauvre Justine, on voit bien que tu ne sais pas ce que c’est qu’un vrai baiser.(可哀想なジャスティン。あんたは本当の接吻がどんなものか分かっていないってことがよく分かるわ。)
  • U.. un vrai baiser ?(ほ…本当の接吻?!)
  • Oh, Anette… n’écoute pas, elle raconte n’importe quoi comme d’habitude.(もう、アネットったら…彼女のいうことなんか聞いちゃダメよ、いい加減なこと言ってるだけなんだから、いつものように!)
  • N’importe quoi ? Tu vas voir.(いい加減なこと?見てなさいよ。)
  • Voilà.(はい。)
  • Luc, embrasse-moi !(リューク、キスして!)

主人公のジャスティンが悔し紛れに、ライバルの女子イザベルに皮肉で「良かったわね」とくってかかります。イザベルが「リュークはとてもキスが上手いのよ」と見栄を張るシーンです。

embrasser…キスをする

Il sait embrasser.(彼はキスが上手なの)

saitは動詞 “savoir(知っている)” の三人称(彼・彼女など)活用形 “sait” になります。直訳すると「キスを知っている」ですが、フランス語で主語+savoir(活用形)+動詞 =「…をすることができる、…するすべを心得ている(…するのが上手い)」という意味になります。

例)Je sais lire et écrie.(私は読み書きができる)/Tu sais nager ?(泳ぐことできる?)

・Ma pauvre Justine, on voit bien que tu ne sais pas ce que c’est qu’un vrai baiser.(可哀想なジャスティン、あんたは本当の接吻がどんなものか分かっていないってことがよく分かるわ。)

On voit bien que…で「…ということがよく分かる」という意味で、日常的によく使われる表現です。

・Oh, Anette… n’écoute pas, elle raconte n’importe quoi comme d’habitude.(もう、アネットったら…彼女のいうことなんか聞いちゃダメよ、いい加減なこと言ってるだけなんだから、いつものように!)

habituteは「(個人の)習慣」、commeは「…のように」。”comme d’habitude(略してcomme d’hab)” は頻繁にフランス人がよく口にする表現です。

Il faut absolument qu’on sache que c’est.(それが何なのか本当に知らなければならないわ。)

«9:00»

  • Je te répètes depuis le début. Je crois qu’il faut absolument qu’on essaie.(最初から復唱するわね。私は、ぜひそれを試してみないといけないと思うわ。
  • Tu parles des tartines ?!(…タルティーヌのこと?)※タルティーヌ…バターやジャムを塗って食べる薄切りパン
  • Non, je te parle de baiser Luc. Il faut absolument qu’on sache que c’est.(違うわよ、リュークのことよ。それが何なのか、本当に知る必要があるわよ!)
  • Oui mais moi… je peux pas faire ça à Jérôme !(そうね、でも私は…そんなことジェロームにはできないわよ)
  • Ah mais c’est qu’une expérience !(ねえ、これはただの実験よ!)
  • Oui mais tout de même, embrasser à un autre garçon ?!(ええ、でも…他の男の子にキスをするですって?!)

Je crois qu’il faut absolument qu’on essaie.ぜひ私たちはそれを試してみないといけないと思うわ。)

Il faut absolument qu’on sache que c’est.それが何なのか、私たちは本当に知る必要があるわよ!)

フランス語の文法で、”Il faut que …(接続法)” という構文があります。意味は「…しなければならない」という意味です。(英語のhave got to…に相当します)

“Il faut que” の後は必ず接続法になるという決まりがあるので、動詞 “savoir(知る)” の(三人称)接続法=sache、動詞 “essayer(試す)” の(三人称)接続法=essaieになります。

フランス語はこのように、頻繁に文法によって動詞が活用変化するためとても複雑なので注意が必要です。

※一人称(私=Je)、二人称(あなた=Vous、君=Tu)、三人称(彼=Il、彼女=Elle)など活用形も違ってきます。

Ça fait un malheur.(大好きになると思うよ!※反語的に)

«12:00»

  • Écoute-le, tu vas voir. Dans 15 jours, ça fait un malheur.(ちょっと聴いてみてよ。2週間後にはきっと大好きになると思うよ!)

Luc(リューク)がおすすめのCDをみんなに紹介しているシーンです。

Dans 15 jours, ça fait un malheur.(2週間後にはきっと大好きになると思うよ!)

Dans 15 jours… 15日後には

“malheur” は「不幸、悩みの種」という意味ですが、この場合は反語的で使われており、「大成功を収める、大好きになる」という意味です。

フランス語ではこのように反語的に使われる表現もたくさんあります。

たとえば試験など大事な合否の日に、友人が「Je te dis merde(もしくはMerde)」などとSMSなどで送ってくることがあります。もちろん罵りなどではなく、とても良い意味で、「君に幸運を祈ってるよ!」という応援、励ましのエールなのです。

merde…本来は「糞」という意味ですが、上記のように全く違う反語的に使われる場合もあります。

c’est de la camelote tout ça.(こういうのって全部安物よね)

主人公のジャスティンが、イケメンのキスが上手いと言われているLuc(リューク)に、何とかして本物のキスがどんなものか教えてもらいたいのですが、直接言うのは気が引けるため、口実として壊れたラジカセを直してほしいという言い訳を作って家に来てもらいます。

«15:08»

  • C’est gentil d’être venu si vite.(こんなに早くきてくれてありがとうね。)
  • Ça va ?(元気にしてる?)
  • Oui.(うん)
  • Je (ne) suis pas trop en retard ?(僕、そんなに遅くなってないよね?)
  • Ah non non.(ううん、大丈夫よ。)
  • Où est-elle ? (それで、壊れたラジカセはどこ?)
  • Elle est là.(これなのよ。)
  • Je comprend vraiment pas ce qui lui arrivé. Elle marche plus du tout.(何が起こったのかわからないわ。全然動かないのよ。)
  • Bah ça m’étonne pas.(まあ、そうだろうね。)
  • Bon, elle était presque neuve… c’est de la camelote tout ça.(このラジカセ、ほぼ新品だったのよ…もう、本当にこういうのって全部安物よね。

C’est gentil d’être venu si vite.(こんなに早くきてくれてありがとうね。)

“C’est gentil de…(動詞)” で「…してくれてありがとう、してくれて嬉しい」という感謝の気持ちを表す表現です。

・retard…遅れ、遅刻(男性名詞)

・Je comprend vraiment pas ce qui lui arrivé.何が起こったのかわからないわ。)

Ce qui lui arrivé” …それ(ラジカセ=radiocasetteなので女性名詞なので目的語が彼女(=Lui)として使われています。)に何が起こったのか。

Bah ça m’étonne pas.(まあ、そうだろうね。)

étonner” は…を「驚かせる、びっくりさせる」という他動詞です。ここでは“pas” という否定構文なので、「(それは僕を)驚かせない=びっくりさせない=そうだろうね」という意味になります。

フランスの日常会話でもよく使われる表現です。

c’est de la camelote tout ça.(もう、本当にこういうのって全部安物よね。

camelote…「安物、粗悪品、駄作」という意味です。

まとめ

90年代という一昔前のドラマだけあって、衣装や髪型なども当時の流行りがわかってとても興味深いですね。

またドラマのフランス語のセリフの中には、現在でも使われている役立つフレーズや表現がたくさん出てきました。
フランス語を学習したい方々には、このようなドラマシリーズを定期的に見ることで俳優たちの表情や口の動きを確認しながら、無意識に目と耳で慣れ親しんでいけるので、楽しみながら学習できて大変おすすめです。

今後も楽しめるフランスドラマや役立つ表現をたくさんご紹介していきます。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

フランスへピアノの音楽留学のために渡仏し、フランス人パートナーとパリに住んでいます。可愛い雑貨やアンティーク、手芸屋さんなど可愛い物が大好き。おしゃれなカフェやおすすめレストラン探し、フランスらしい風景を写真撮影するのが趣味です。
在仏歴10年、パリガイド歴7年以上。
住んでいる人しか知らない隠れ家的スポットやおすすめ情報などをぜひご紹介していきます。

目次