もうすぐバレンタインですね!この時期になると街中が美味しくて甘いチョコレートの香りに包まれて、とっても幸せな気持ちになりますね。
今回はパリにしかない、日本未上陸のおすすめショコラティエ(チョコレート屋さん)をご紹介します。どのショコラティエもそれぞれのこだわりやコンセプトがあり、なぜおすすめなのか理由もご紹介していきますのでお見逃しなく。
À la Mère de Famille
一つ目は日本未上陸の老舗ショコラティエ「À la Mère de Famille(ア・ラ・メール・ドゥ・ファミーユ)」です。
始まりは古く、1760年、農家のように小さなお店から始まりました。
1760年、パリ東部にある小さな町クロミエ(Coulommiers)からパリへやって来たPierre Jean-Bernard(ピエール・ジャン=ベルナール)は、小さいころからの夢であった食料品店をパリのモンマルトル通りで開店しました。
口コミで良い評判が広まっていき、19世紀に入ると有名な美食家によって雑誌やメディアなどにこの店を取り上げられ、パリに住む人の注目をより集めるようになります。Pierreの孫であるFerdinand Bridault(フェルディナン・ブリドー)の代になると、この時代に栄えていた「甜菜糖」の普及により、様々なお菓子の生産がより簡単にできるようになったと言う理由から、お店はさらにお菓子を集中して開発するようになります。その後も親から子、子から孫へと受け継がれ、イースターにはウサギのチョコレート、クリスマスにはドライフルーツや砂糖漬けなどといったように、季節やイベントに沿って様々な甘くて美味しいお菓子を作り続け、今でもそれが引き継がれているのです。
À la Mère de Familleは、パリ市内だけでも11店舗を構えるお店で、フランス郊外にも店舗があります。おすすめは、食べ終わった後の空き箱も可愛い「Bûchettes au praliné」。Bûchette は「小さな薪」、praliné(プラリネ)は「アーモンドに加熱して褐色に溶かした砂糖をまぶして、冷まして細かく砕いたもの」と言う意味です。
店内の内装もメルヘンチックで、まさに「外国のお菓子屋さんに来た!」という感じでとても可愛くおすすめです。キャラメルは好きなものを袋に詰めて買うことができますので、ばらまき用のお土産にもおすすめです。店内にはオリジナルチョコのほか、ヌガーやカリソンなど地方の伝統菓子もラインアップしています。
公式サイトより「Coffret de chocolats assortis(チョコレートアソートボックス)」。見た目もとっても可愛くて、あげる方も、もらった方も嬉しくて幸せな気持ちになりますね。
チョコの原産国はハイチ、マダガスカル、ベネズエラ、エクアドル、ペルーなどの厳選されたカカオ豆を使っており、生産地の人々とも関係も大切にしているとのこと。周りの人たちと良い関係を築くことで、良い素材・原料作りに繋がっていくようですね。
もし近くを通りかかったら、ぜひパリ最古の老舗ショコラティエに立ち寄ってみてください。
お店の名前 | À la Mère de Famille |
住所 | 35 Rue du Faubourg Montmartre, 75009 Paris, France |
営業時間 | 月~土:9時30分~20時00分、日:10時00分~19時30分 |
Alléno & Rivoire
こちらのショコラティエ「Alléno & Rivoire(アレノ&リヴォワール)」では、砂糖を使わず、代わりに白樺の樹液を使った身体にやさしい健康チョコレートとして人気です。
Alléno & Rivoireのブランド名は、シャンゼリゼ通りにあるPavillon Ledoyenの料理長で、かつ3つ星レストランAlléno Paris、2つ星レストランL’Abysse、1つ星レストランPavyllonを経営している人気のシェフYannick Alléno(ヤニック・アレノ)氏と、Pavillon LedoyenのシェフパティシエでもあるAurélien Rivoire(オーレリアン・リボワール)、2人のシェフ達の名前を冠にしたものです 。
2021年12月16日、パリ7区にオープンされたばかりのまだ新しいショコラティエで、お店の外装もまるでブティックと思わせるほどとてもおしゃれ。店構えからして、他のお店とは一線を画した雰囲気が漂います。
このお店の売りはなんといっても「砂糖を使わず、美味しいチョコレートを制作すること」。お店で売られているチョコレートは、砂糖を使わず、代わりに白樺の天然の樹液を使用した甘味料で作られた、まさに身体にやさしい、健康的なチョコレートなのです。人気シェフ2人は、地球のためにより健康的なチョコレートを追求することを目指して、本来甘いものであるチョコレートの常識を覆し、罪悪感を取り払いながらも、至福の時を運んでくれる「健康チョコレート」の開発に成功しました。
公式サイトより「Coffret de 10 Sablés bretons 15€(ブルターニュ地方のミルク・ダークチョコレート10個入りボックス)」。商品説明文にもちゃんと”Au sucre de bouleau(白樺の樹液)”と書かれています。
白樺の樹液は、北欧のフィンランドから取り寄せているとのことで、こちらもシェフのこだわりが垣間見えますね。完全にオーガニックでGI値(どれくらいの速度で血糖値が上昇するかを数値化した指標)も低いので、食べ方によっては糖尿病の人でも食べることができるとのこと。またガナッシュを作る際に用いる生クリームも、通常の油脂分の半分にするなど、いたるところで体に優しい配慮がされています。
美味しくて体にも優しい、贅沢な新時代のチョコレートといっても過言ではないでしょう。
エッフェル塔から徒歩圏内という近さも嬉しいポイントですね。エッフェル塔界隈を訪れることがあれば、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
お店の名前 | Alléno & Rivoire |
住所 | 9 Rue du Champ de Mars, 75007 Paris, France |
営業時間 | 火~土曜日:10時00分~19時30分、日・月:定休日 |
Julien Dechenaud
パリ11区のPaul Bert(ポール・ベール通り)に位置するショコラティエ「Julien Dechenaud」。
お店のオーナー、Julien DechenaudさんはJ=P・エヴァン、やパトリック・ロジェ、チョコレートの巨匠アラン・デュカスなどで修業を重ね、2017年にパリ郊外のヴァンセンヌ城の近くにお店をオープンしました。その後パリにも2店舗でき、現在ではパリ市内でしたらこちらのポール・ベール通りがアクセスも良くおすすめです。
オーナーのJulienさんはリヨン出身。そのためpraliné(プラリネ)には特別な思い入れがあるそうです。リヨンはプラリネで特に有名で、リヨン名物のお菓子「プラリーヌローズ=プラリネを練り込んだブリオッシュ」は、リヨンや周辺の街では各パン屋さんに置かれているほど。
そして彼のお父さんも同じくチョコレート職人らしく、同じ職業を受け継いで活躍されている姿は素敵ですね。このお店では上記にもあるように、ぜひプラリネがおすすめです。細部まで作り込まれた、きめ細やかなテクニックで施された独創的なプラリネ。彼なりのこだわりがあるらしく、お店のプラリネは全て自社で真心を込めてローストしたものなのだそう。
*プラリネ;焙煎したナッツ類(主にヘーゼルナッツやアーモンド)に加熱した砂糖を和えてカラメル化(カラメリゼ)したもの。
そのほかに「pâte de fruit(フルーツの種)」という名前のゼリーや、1粒から買える量り売りのチョコなどもあります。また他のショコラティエと比べて、お値段も比較的リーズナブルでお財布にも優しいのも嬉しいところです。ただお店にはたくさんの種類があり、どれにしようか迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。そんな時にはぜひ「BOITE DÉCOUVERTE DE 15 CHOCOLATS TAILLE 1(チョコお試しセット)15€」を買ってみてください。
(Taille=サイズ。1〜5まであり、順に値段も高くなります)
公式サイトより「BOITE DÉCOUVERTE DE 15 CHOCOLATS – TAILLE 1(15チョコレートお試しセット、サイズ1) 15€」。洗練されたコクのあるダークチョコとミルクチョコのハーモニーが至福のひと時をもたらしてくれます。
お店の名前 | Julien Dechenaud |
住所 | 11 Rue Paul Bert, 75011 Paris, France |
営業時間 | 火~土:9時30分~19時30分、日:9時30分~13時00分、月:11時00分~19時30分 |
まとめ
今回は日本では展開されておらず、パリにしかないショコラティエを厳選してご紹介しました。
パリでは毎年「Salon du Chocolat(チョコレート展示会)」という名前の展示会があるぐらい、フランス人はチョコに目がない人がとても多いのです。そのため普通のチョコでは飽き足らず、より独創的なチョコレートを開発したい!という野望を秘めたシェフやパティシエの方々が世界から集う場所でもあるのです。洗練されたおしゃれなフランスのチョコが大好き!という方が世界中に多くいらっしゃるのも頷けますね。
ぜひパリに来た際には、今回ご紹介した店舗へ立ち寄ってみてくださいね。今後もいろんなジャンルでパリのおすすめのお店をご紹介していきます。