フランス語の言語資格として、DELF・DALFと呼ばれるフランス国民教育省認定資格があります。一度取得しておくと一生有効で、更新の必要はありません(有効期限は無期限)。また、日本国内のみならず世界で通用する国際資格なので、将来フランス語を使った仕事をしてみたい方はぜひ取得しておくことをおすすめします。
今回はそのDELF・DALFについて、取得することの利点や試験に役立つ学習方法などを解説します。
DELF・DALFとは?
DELF(Diplôme d’Études en Langue Française)、DALF(Diplôme Approfondi de Langue Française)は、フランス国民教育省が認定した唯一のフランス語の国際資格で、現在世界160カ国以上で実施されています。一度取得すれば有効期限は無期限です。フランス語の能力を証明するため、自分のフランス語の能力や知識を、対外的にアピールできる証明書として形にすることができます。
DELFはレベル順に「A1、A2、B1、B2」まであり、その上級レベルがDALFで、「C1、C2」となります。このように資格はA1(初級)〜C2(最上級)レベルまで6レベルあります。前者が「DELF(デルフ・フランス語学力資格試験)」で、後者が「DALF(ダルフ・フランス語上級学力資格試験)」です。この試験はCIEP(国際教育研究センター)が認可した試験センターでのみで開催されています。
DELFがA1〜B2レベルを対象としているのに対し、DALFはさらに上級となるC1からC2レベルの高度なフランス語能力が要求されます。 DELF・DALF共に同様に結果は合否で判定され、資格は一度取得すれば生涯有効です。
フランス語学習者にとって、DELF・DALFに合格することはフランス留学やフランス語圏の会社の就職に非常に有利なため、大きなモチベーションになると言えるでしょう。
日本国内での試験申し込みはこちらのサイトからお申込みすることができます。
具体的にどのようなメリットがあるのか?
- 留学する時に有利
- フランス語圏やフランス語を使った仕事に就くのに有利になる
- フランス国籍を取得したい時に語学力を証明できる
- フランス語学習のモチベーション維持につながる
1. 留学する時に有利
DELF B2以上を持っていると、フランスの大学に登録するための語学試験を免除されます。また、大学院によって異なりますが、フランスの大学院に進学を希望している場合、基本的に理系はDELF B2以上、文系はDALF C1以上が必要です。
フランスでは、大学の学部に入学する時に、必ずフランス語の能力試験が義務付けられているのですが、このレベルの資格を持っていれば試験が免除されて、登録がスムーズです。
フランスの大学への進学を希望されていらっしゃる方にとって、DELF・DALFは大きな一歩となるでしょう。
2. フランス語圏やフランス語を使った仕事に就くのに有利になる
世界中の国々で資格として認められているDELF・DALF。この資格を取得し、就職の際に示すことができれば就職や転職に有利になることは間違いありません(就職活動の際にはDELF B2以上を求められることが多いようです)。
フランス語はフランスだけではなく、アフリカ諸国やベルギー、スイス、カナダなど、広く多くの国で使われています。フランス語を使って仕事がしたいと思っていらっしゃる方は、DELF・DALFを受験してぜひフランス語で仕事をするチャンスを広げましょう。
3. フランス国籍を取得したい時に語学力を証明できる
フランス料理が好き、フランス映画に恋して止まない、彼氏・恋人がフランス人、フランスという国が大好きになったので将来フランスに住みたい!など、理由や事情は様々だと思いますが、フランス国籍を取得したいという方も多くいらっしゃると思います。そのような時にこそ、DELF・DALFが大活躍します。フランス国籍を取得するためには条件がいくつかありますが、その中に「DELF B1以上を取得していること」という条件があります。
フランス語の能力が充分にあり、フランスで難なく生活できるということを証明してくれる、心強い味方になってくれます。
4. フランス語学習のモチベーション維持につながる
毎日こつこつ、継続は力なり。ダイエットでも何でもそうですが、「自分磨き」を大事にする人は多いはず。フランス語も、初めは難しくてとっつきにくいなと感じても、毎日少しずつ学習していくことによって、必ず身についていってくれます。
試験に合格することができなくても、試験は毎年行われ何度でも受け直すことができるため、次の試験に合格するという動機ができますので、モチベーションを維持しながら学習を継続することができるようになるでしょう。客観的に自分の実力を図ることができ、目標が明確になるので、資格取得がモチベーション維持に繋がります。
「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference for Languages)」という基準があり、言語の枠や国境を越えて、外国語の運用能力を同一の基準で測ることが出来る国際標準です。学習者、教授する者及び評価者が、外国語の熟達度を同一の基準で判断しながら、学び、教え、評価できるように開発されました。
DELF・DALFのA1~C2までの基準もこのヨーロッパ言語共通参照枠の基準と一致していて、この基準によって自分がどれぐらいフランス語能力があるのかを、客観的に証明することができます。
この基準によると、A1は入門編のいわゆる「発見の」段階にある初歩のレベルとされ、B1以上では「使用者は自立の度合いを増し、自分の意見を主張するために筋道の通った議論の流れを作ることができる。自分の見解を展開し、交渉することができ、社交的な談話の中で流暢に会話を交わし、自分の間違いを自分で修正することができる。」とあります。
B1以上になると、よりいっそう自分の意見を難なく流暢に述べることができるようになる、といったところでしょうか。
しかしながら、このA1(入門編)からB1以上(中級編)に行くまでには大きな壁があり、これを越えられる人と超えられない人とで、フランス語を習得できるかが分かれるとも言われています。
そこで、以降では私のおすすめのフランス語学習を紹介します。
在仏10年筆者おすすめのフランス語学習方法
以前、こちらの記事で私が初級から中級になるために実践した勉強法をご紹介しました。
こちらの記事で繰り返し述べているように、フランス語上達のためには、一言で言ってしまえば「ヒアリング(耳から覚えること)」が全てです。フランス語には「フランス語特有の音」が存在するため、ヒアリングは最も肝心な、必須のポイントです。
そこで、フランス語のリスニング力をつけるのに役立つフランス語の学習サイトを1つご紹介します。
フランス語会話学習サイトCoucou! というフランス語の初級から抜け出し、中級へ移行する手助けをしてくれるサイトです。
こちらから無料でレッスンサンプルを聞けます。
フランス人と毎日会話し、フランス語を聞き話しながら、フランスに10年住んでいる筆者にとっても、こちらのサンプルでの会話(発音、イントネーションなど)は完璧に現地フランス人そのものです。とてもクオリティが高く、また内容もしっかりしています。
特になかなか初級から中級へと抜け出せない人にはおすすめです。フランス語を少し話せるようにはなったけれど、もっと流暢に、まさに現地に住んでいるフランス人と話しているように話せるようになりたい、と思っていらっしゃる方々にはうってつけです。
入門レベルから始まり、初級、中級、上級へと一歩ずつステップアップして行けるのは、達成感と自己肯定感を高められます。また、フランス語には、日本語にはない表現方法などもたくさんあり、視野が広がります。
フランス在住歴10年以上の筆者からしても、フランス語を覚えるのに、いかに「耳から聞く」ことが大切であるかは痛感できます。口頭表現やスラングなど、現地フランスでよく使われている、ネイティブが、ネイティブのスピードで話してくれるこのようなサイトは本当におすすめです。また、日本語訳が付いているため、いちいち分からない単語などを辞書で調べる必要もありません。とても効率よく、かつ効果的に覚えられます。
日常会話、ビジネス会話、エッセイなどカテゴリーも分かれており、教科書にはない自然なフランス語の表現方法や言い回しを覚えられます。
いつでもどこでも、場所を選ばずネイティブのフランス語を耳から聞きながら覚えられるのも嬉しいところ。まさにフランス語を学ぶのに理想的なサイトです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、フランス語語国民教育省認定資格DELF・DALFについて、取得するとどのようなメリットがあるのかなどを解説しました。以下の記事ではDELF試験を実際に受け、受けた感想や、実際に合格するまでに実践した勉強方法についても詳しく解説していますのでぜひ合わせてお読みください。
DELF・DALFを受験することにはメリットがたくさんあります。ご自身の学習進度に合わせて、初級レベルから受験できますので、ぜひ積極的に受験を検討してみてはいかがでしょうか。