パリオリンピックに向けてパリの状況は?
パリオリンピックを約半年後に控えたパリ。観戦チケットの販売も始まり、オリンピックムードが高まってきています。 ただ実際は問題も山積みのようで、パリジャンからはオリンピック開催に対して冷ややかな声もちらほら。
今回はパリオリンピックについて、今フランスで話題になっていることや気になる現地の声をご紹介したいと思います。
メトロ値上げ&障害者非対応の駅
パリジャンの生活にも関わり、もっとも問題視されているのがパリ市内の交通問題です。
オリンピック開催期間中は、メトロのチケットが値上げされることが決まっています。通常2,1€のチケットがなんと4€と、倍近くの値段になるんです。
毎日メトロを利用する人は定期券のようなものである月額ナビゴを利用しており、こちらは値上がりはないため影響のないパリジャンも多いですが、それでも「これはやりすぎだ!」とする声が上がっています。
普段から遅延・キャンセルなどの問題が多いメトロですが、オリンピック開催にともないより多くの人が利用すれば、さらに問題が増えることは間違いありません。サービスの質は低下するのに値段だけ上げるなんて納得いかないと考える人も多いようです。
さらに問題視されているのが、メトロのほとんどの駅が障害者の利用に対応できていないこと。なんと障害者に対応している駅はたったの9%だというのです。
パリに行ったことがある人は気づいたかもしれませんが、ほとんどの駅にエレベーターがなく、エスカレーターでさえないところが多いんです。この問題は以前から言われていますが、オリンピック開催を半年後に控えた現在でも改善されているようにはみえません。
交通渋滞の悪化
パリオリンピック開催中は観光客の増加とともに、臨時の競技場が屋外などにも設置されることから、交通渋滞問題が心配されています。普段でもパリ市内は渋滞が酷く、朝から晩までクラクションが鳴り響いている状態なので、オリンピック期間中はどうなるのか想像もつきません。
しかも、特定のエリアに入るためには証明書の保持が必要になるというのです。安全面からも通行を制限するのは仕方ないとは思いますが、これにより他のエリアで渋滞が悪化することは間違いありません。
観光施設や商業施設への特別措置
フランスではどのお店でも日曜営業ができるわけではありません。場所や販売するものによっては日曜にお店を開くことはできないんです。
しかし、オリンピック期間中は観光客が爆増することから、パリのほとんどのエリアで日曜営業が許可されることになりました。普段は「日曜は閉まってるから行けないな〜」なんてことも多いですが、オリンピック期間中はそんなことが減りそうです。
そしてこちらは残念なニュースですが、昨年12月27日にエッフェル塔がストライキを実行し営業を行わなかったことはご存知でしょうか?エッフェル塔は、状況が改善されなければオリンピック期間中にもストライキを行うかもしれないと発表しているんです。まだどうなるかわかりませんが、もしエッフェル塔に登れないとなると観光客にとってはかなり残念ですよね。
オリンピック期間中に予想される観光客の数
世界でも観光客が多い都市のひとつであるパリ。もちろんオリンピック・パラリンピック開催中は普段以上の観光客が予想されています。その数は約1600万人。パリとパリ近郊の総称であるイル・ド・フランスの人口が約1200万人なので、住人以上の観光客が訪れることになります。
ただでさえ夏は観光客が多くどこへ行っても混雑するので、オリンピック開催中はパリを離れたいと考えているパリジャンも多いようです。世界的な祭典であるオリンピックですが、ご紹介したように問題も多くパリジャンからは否定的な声も聞こえてきます。
観光客が増えることでメリットもありますが、パリに住む人にとってはいいことばかりではないのが現実。文句が多いといわれるフランス人ですが、オリンピック期間中は普段以上にフランス人のグチが聞こえてきそうです。