今年はパリオリンピックが開催されることから、オリンピック一色のフランス。オリンピック関連のニュースやイベントが多くなっていますが、フランスにはほかにどんな行事やイベントがあるのか気になりませんか?今回はフランスの年間行事・イベントをまとめてみたいと思います!
フランス年間行事
1月のイベント
●新年 / Nouvel an(1月1日)
1月1日は祝日ですが、正月休みのようなものはありません。働いている人は翌日からみんな普段通りに出勤です。日本では年末年始はお盆休みと並んで貴重な長期休暇なので、2日から出勤するなんて考えられませんね。お正月独特の空気感もフランスでは一切感じられず、少し寂しく感じてしまいます。
●エピファニー / Epiphanie(1月6日)
エピファニーはキリスト教の祭日です。この日はガレット・デ・ロワ(Galette des rois)と呼ばれるアーモンドクリームをはさんだパイ菓子を食べてお祝いします。ガレット・デ・ロワはパン屋などで1月いっぱい購入することができます。
2月のイベント
●マルディグラ / Mardi gras(2月か3月の火曜日)
マルディグラはキリスト教の祭日で、仮装してパレードなどのイベントが行われます。パリではマルディグラの前後の週末に「パリのカーニバル(Carnaval de Paris)」として、にぎやかなカーニバルが開催されます。そのほかにはアヌシーやダンケルク、このあとに紹介するニースのカーニバルなどがマルディグラのカーニバルとして有名です。
●シャンドルール / Chandeleur(2月2日)
シャンドルールはキリスト教の祭日です。フランスではクレープを焼いて食べるのが伝統。家族や友人で集まってクレープを焼くので、クレープ祭りといった感じです。
●バレンタイン / Saint Valentin(2月14日)
フランスではバレンタインには男性から女性に贈り物をします。贈り物の定番はバラの花で、2月14日にはバラの花を持った人をたくさん見かけます。ロマンチックですよね。ちなみに、ホワイトデーはフランスにはありません。
●ニースのカーニバル / Carnaval de Nice(2月後半)
世界的にも有名なニースのカーニバル。ヨーロッパの3大カーニバルの一つにも数えられていますね。巨大な山車が街を練り歩き、夜はイルミネーションが加わりさらに盛り上がります。毎年違うテーマに沿って制作される山車は大きな見どころ。一緒に練り歩くダンサーも華やかで、冬の寒さを吹き飛ばしてくれます。
●マントンレモンまつり / Fête du citron(2月後半)
マントンはイタリアとの国境にある街。レモンが街の特産品だったことから、レモンやオレンジなどの柑橘類を使ったレモンまつりが生まれました。本物の柑橘類を使用した山車や巨大オブジェと共に音楽やダンサーが街を練り歩くこの祭りには、毎年20万人以上の見物客が集まります。この祭りで使われるフルーツは140トンにも上り、祭り終了後には選別されたのちに販売されるそう。
3月のイベント
●夏時間の開始 / Passage à l’heure d’été(3月最終日曜日)
ヨーロッパ全体で取り入れられている夏時間は、3月の最終日曜日から始まります。夏時間開始は夜中の2時に1時間時計を進めます。そのため、この日は睡眠時間が1時間短くなることに。小さなお子さんのいる家庭では、睡眠時間をしっかり確保するため1時間早くベッドに入るなどするようです。
●イースター・復活祭 / Pâques (3月末から4月末の日曜日)
フランスでイースターといえばチョコレート!イースターのシンボルであるうさぎや卵型のチョコレートがたくさんショップに並びます。クリスマスに次いで重要なキリスト行事ともいわれるイースター。イースターは毎年日曜日のため、フランスでは翌日の月曜日が祝日となります。
4月のイベント
●エイプリルフール / Poisson d’avril(4月1日)
エイプリルフールにはフランスでも日本と同じように嘘を交えた冗談を言ったりします。フランス語ではエイプリルフールを”Poisson d’avril” と呼び、直訳すると「4月の魚」となります。なぜこのような呼び方なのかはいろいろな説があり、起源ははっきりしていません。
●パリマラソン / Marathon de Paris(4月第1日曜日)
パリマラソンは毎年4月に行われるフルマラソンレースです。世界中からやってくるランナーの数は5万人以上。コースはシャンゼリゼ通りから始まり、オペラ座やセーヌ川沿いなどパリの名所をたっぷり取り入れた42,195キロになっています。
5月のイベント
●メーデー・勤労感謝の日 / Fête du travail(5月1日)
フランスでは勤労感謝の日にすずらんを贈る風習があります。すずらんには「幸せを運んでくる」というような意味があるのだそう。すてきな習慣ですよね。
●ヨーロッパナイトミュージアム / Nuit européenne des musées(5月第2土曜日)
美術館や文化施設が夜遅くまで開かれるイベント。無料で入場できたり、講演会や参加型プログラムなどもあり、普段とは違う楽しみ方もできます。フランス中で開催され、有名施設には長い行列ができるほど人気のイベントです。
●カンヌ国際映画祭 / Festival de Cannes(5月後半)
世界的なイベントであるカンヌ国際映画祭。豪華な衣装に身を包んだ俳優らがレッドカーペットを歩く姿をテレビで見る方も多いのではないでしょうか。リゾート地としても人気なカンヌですが、映画祭の時期には多くのスターが集まり普段以上に華やぎます。
●ローラン・ギャロス / Roland Garros(5月後半)
グランドスラムのひとつ、ローランギャロス。日本では全仏オープンと呼ばれていますが、フランスではローラン・ギャロスと呼びます。テニスはフランスではかなり人気の高いスポーツ。たくさんの人が観戦に訪れ、テレビでも試合が放送されます。
6月のイベント
●音楽祭 / Fête de la musique(6月21日)
毎年夏至の日に行われる音楽祭では、フランス中の街で夜遅くまたは明け方まで音楽が鳴り響きます。音楽のジャンルやプロ・アマ関係なく、誰でも音楽を楽しめるのがこのイベントのいいところ。楽器を演奏しない人も音楽に合わせて踊ったりして、思い思いに長い夜を楽しみます。
7月のイベント
●ツール・ド・フランス / Tour de France(7月前半)
グランツールのひとつであるツール・ド・フランス。フランス中を自転車で駆け巡るこのレースは、テレビでも放映される重要なスポーツイベントです。毎年ゴールはパリのシャンゼリゼ通りですが、今年はオリンピックの影響でゴール地点はニースとなりました。
●野外映画 / Cinéma en plein air
パリを中心に各地で行われる野外映画。早いところでは6月から始まり、8月まで開催しています。ほとんどが無料で参加できるので、長い夏の夜を楽しむのにぴったりのイベントです。
●パリ・プラージュ / Paris plage
パリのセーヌ川沿いで開催されるイベント。Plageはビーチを意味していて、海のないパリでもビーチ気分を楽しもうというコンセプトです。ビーチチェアが並び、パリにいながら夏を満喫できます。
●革命記念日 / Fête nationale(7月14日)
1789年7月14日のバスティーユ襲撃事件から始まったフランス革命を祝う祝日です。パリではお祝いのセレモニーが開かれ、夜には各地で花火が上がります。日本語では「パリ祭」と呼ばれることが多いですが、フランス人の間では「Quatorze-Juillet(7月14日)」と呼ばれます。
8月のイベント
●ロック・オン・セーヌ / Rock en Seine(8月下旬)
ロック・オン・セーヌはパリ郊外で行われる野外音楽イベントです。8月は7月から引き続き野外映画やパリ・プラージュも開催されていて、屋外でのイベントが盛りだくさんです。
9月のイベント
●新学期 / Rentrée scolaire(9月第1月曜日)
フランスの子どもたちの新学期は9月に始まります。約2ヶ月の長いバカンスを終えての新学期です。2ヶ月も休みがあるなんて羨ましい限りですね。
●ヨーロッパ文化遺産の日 / Journées européennes du patrimoine(9月第3週末)
美術館やモニュメントなどの文化遺産が無料で開放されるイベント。普段は一般客を受け入れていない施設なども見学できる特別な日です。フランス中で開催され、人気施設には長蛇の列ができます。
10月のイベント
●ニュイ・ブランシュ / Nuit Blanche(10月第1土曜日)
現代アートの祭典であるニュイ・ブランシュ。街のいたる所で現代アートの展示や演奏、ダンスなどを見ることができます。現代アートというととっつきにくいイメージを持つ方も多いですが、ニュイ・ブランシュのプログラムはどれも無料で見学できるので、気軽に現代アートに触れられるのがよいところ。
●ハロウィン / Halloween(10月31日)
ハロウィンはフランスの伝統行事というわけではありませんが、近年はさまざまなハロウィンイベントが開催されるようになってきています。子どもたちは仮装してお菓子をもらったり、街ではバーやクラブなどでハロウィンイベントを開くところが増えています。
●夏時間の終了 / Passage à l’heure d’hiver(10月最終日曜日)
3月に始まった夏時間は10月に終了。3月に1時間進めた時計を今度は1時間戻します。毎年経験しているはずなのに、時計を1時間進めるのか戻すのかわからなくなってしまうのは、夏時間あるあるです。
11月のイベント
●サロン・デュ・ショコラ / Salon du chocolat(11月第1週末)
世界的なチョコレートの祭典サロン・デュ・ショコラは11月に行われます。サロン・デュ・ショコラには世界中のチョコレートが集まるだけでなく、ファッションショーや講演会、実演などさまざまなプログラムが用意されています。チョコレート好きなら一度は行ってみたいイベントです。
●ボージョレ・ヌーヴォー / Beaujolais nouveau(11月第3木曜日)
ボージョレ・ヌーヴォーはその年に収穫したぶどうで作ったワインの解禁日。日本でもボージョレ・ヌーヴォーを祝ってワインを飲む方がいるのではないでしょうか。
12月のイベント
●リヨン光の祭典 / Fête des Lumières(12月初旬)
リヨンで行われる光の祭典は、イルミネーションをふんだんに使った祭り。今ではリヨンに欠かせない重要なイベントです。プロジェクションマッピングや光を使ったオブジェの展示など街中が光に包まれ、とても華やかな夜を体験できます。
●クリスマスマーケット / Marché de Noël
12月のフランスはクリスマスマーケットにイルミネーションも加わりとっても華やかです。クリスマスマーケットは各地で開かれますが、アルザス地方のクリスマスマーケットには別格のかわいさがあります。フランスのクリスマスを楽しみたい方はぜひ訪れてみてください。
●クリスマス / Noël(12月25日)
クリスマスはフランスではかなり重要なイベントです。家族で集まって夕食を食べ、プレゼントを交換します。プレゼントは家族全員で交換するのがフランス流です。
キリスト教のイベントごとが多いのはもちろんですが、文化的イベントが多いのはフランスならでは、という感じがします。また、日本と共通する行事でも祝い方が違ったりしておもしろいですね。
イベントごとにはその国や地域の特徴がよく表れます。フランスに興味がある方は、ぜひ紹介したイベントを実際に体験しててみてくださいね。