フランスの祝祭日をご紹介

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フランスの祝祭日・休日はキリスト教関係のものが多いため、私たち日本人には馴染みのないものもあります。
さらにその多くが毎年日付が変わる「移動祝祭日」となります。これは、キリスト教において最も重要な祝日である復活祭(イースター)が「春分の日以降の満月の次の日曜日」と決められているからです。
多くのキリスト教関係のイベントや典礼がこの「復活祭(イースター)を起点」として日にちを数えるため、移動祝祭日となります。

今回はたくさんあるフランスの祝日・祭日のうち、日本にはないフランスだけの祝祭日をご紹介します。

※日付は2023年を対象としています。

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目次

2023年1月6日 公現祭(エピファニー) / Epiphanie (Fete des Rois)

「公現祭(エピファニー)」は新約聖書に出てくる最初にイエス・キリストを礼拝した「東方の三博士(三賢者)」が幼子イエスのもとを来訪したことを祝福する日です。日本では「三賢者祭り」とも呼ばれています。

フランスではこの日は「ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)」という伝統的な焼き菓子を食べる習慣があります。パイ生地とアーモンドクリームで構成されたシンプルな焼き菓子で、「レイエ」と呼ばれる表面の美しい飾り包丁が特徴的です。
ガレットの中に隠されている「フェーヴ(fève、ソラマメの意)」という小さな陶磁の人形が入っていて、切り分けたガレットの中からフェーブが出てきた幸運な人は、王冠を被ってみんなから祝福を受け、その1年幸せが訪れると言われています。

「ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)」は、直訳すると「王様のお菓子」ですが、ここでの「Rois(王様)」は東方三賢者のことを差しています。まさに「ガレット・デ・ロワ」が公現祭を象徴する伝統菓子であることがわかりますね。

Galette des Rois(ガレット・デ・ロワ)

2023年2月16日~2月21日 謝肉祭(カルナヴァル)/ Carnaval

「謝肉祭(カルナヴァル)」とは、キリスト教カトリック信者が、「四旬節」という断食期間(苦行)に入る前に行う派手なお祭りのことです。 この「四旬節」は、イエス・キリストの受難を分かち合う期間とされています。 
日本だとカルナヴァルよりも「カーニバル」と言った方が馴染みが深いと思います。

そもそもなぜこのような「四旬節(断食期間)」があるのでしょうか?

それには、イースターが関係しています。キリスト教のなかに「復活祭(イースター)」と呼ばれる最も大事な行事が4月頃にあります。イースターとは「イエス・キリストが十字架に張り付けられた3日後に復活したことを祝う復活祭」です。

このイースターの前に、準備期間として心身を清める断食期間として「四旬節」が設けられています。

ただ、現在は断食する人はあまりいません。また断食と言っても、肉や魚、乳製品といった、赤い血を持つ動物性の食物を断つという意味で、何も食べないという意味ではありません。四旬節の間は、断食、肉食の禁止、祝宴などの快楽の自粛などが行われます。四旬節は「40日の期間」という意味です。40という数はイエスが荒野で40日間断食をしたことに由来しており、それにならって「40日間の苦行=断食」という習慣が生まれました。

これはカトリック教徒が今でも大切に受け継いでいる慣習であり、40日間断食をしたイエスを思い出すために、四旬節の期間「赤身の肉の消費をやめよう」というものです。

話を謝肉祭に戻しますが、この四旬節の期間には断食以外にも生活全般、心身ともに潔め、慎んだ行動をしなければなりません。そのため、この「四旬節(断食期間=苦行)」を迎える前に「今のうちに飲んで食べて遊んでおこうぜ!」という期間がいわゆる「謝肉祭(カルナヴァル)」となります。

謝肉祭の開催日は移動祝祭日となり、毎年日にちが変わります。日にちはイースターから逆算されます。イースターの日は、春分の日から最初に迎える満月の翌週日曜日と決まっていますので、そこから全ての移動祝祭日が連動して毎年変動します。

2023年4月9日 復活祭 / Pâques

上記でも触れましたが、キリスト教徒が最も大切にしている行事が復活祭(イースター)です。徐々に日本でも浸透してきたイースターですが、フランス語では「Pâques(パック)」と言います。

復活祭は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目によみがえったことを記念する日で、キリスト教の典礼暦における最重要日です。ヨーロッパでは、特にキリスト教徒の間では最も重きを置いており、教会でキリストの復活を祝ったり、家族や仲間と食事を楽しんだりします。また、カラフルに装飾された卵「Easter egg(イースター・エッグ)」を庭に隠し、子どもたちがそれを探す「Easter egg hunt(イースター・エッグハント)」というゲームも頻繁に行われます。

復活祭は春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に祝うため、年によって日付が変わります(移動祝祭日)。また、このイースターの日付によって、上記の謝肉祭の日付や他の移動祝祭日も変わります。

イースター・エッグハントで卵を探す子供たち

2023年4月10日 復活祭後の月曜日 / Lundi de Pâques

上記の復活祭(イースター)の「翌日の月曜日」が、「Lundi de Pâques(イースター・マンデー)」として祝日となります。

2023年5月18日 キリスト昇天祭 / Jeudi de l’Ascension

復活祭(イースター)から数えて「6回目の日曜日後の木曜日」にキリストが昇天したことを祝う日です。キリスト教の典礼暦の中では最も大きなお祝いの一つで、教派を超えて広範に祝われます。この祝日も復活祭に連動して変わります。

2023年5月28日 聖霊降臨祭 / Pentecôte

復活祭(イースター)から数えて「7週間目の日曜日」に、イエスの復活・昇天後、祈っていた120人の信徒たちの上に、神からの聖霊が降ったことを記念する祭日です。日本では「五旬節」、「五旬祭」とも呼ばれています。

2023年5月29日 聖霊降臨祭の翌日 / Lundi de Pentecôte

復活祭(イースター)の翌日も祝日でお休みのように、上記の聖霊降臨祭翌日の月曜日も祝日となります。

2023年6月21日 音楽の日 / Fête de la musique

私が最も好きな祝日です。この日は、街中が音楽で満たされる一日です。

毎年、夏至の時期に合わせて6月21日が「音楽の日」です。フランス全土で、アマチュアやプロの音楽家たちによる音楽コンサート、イベントが開催されます。音楽好きには楽しい日です!

日没が夜10時を過ぎる夏至の日のフランスは、昼間から夜遅くまで街中が音楽で満たされます。いたるところでいろいろな人が歌い演奏し、普段は音楽とは無縁のスーパーやお店などでも、お店の前で楽器を演奏してスタッフが音楽を奏でているところも多いです。上手い・下手は関係ありません、ただ単に、音楽を楽しめば良いのです!

この音楽祭(Fête de la musique)は、1982年に当時の文化大臣の声かけから始まりました。それ以来フランスでは、都市をメインに全国的に開催される恒例行事となり、お祭り騒ぎが大好きなフランス人にとっても嬉しい行事となりました。最も大変だったコロナ禍の2020年、21年でさえ行われたぐらいです。

パリでは、通りに出たら音楽が聞こえてこないところが珍しいぐらいで、至る所から軽快な音楽が聞こえてきて、気分をウキウキさせてくれます。とっても幸福感に陶酔できる日で、ジャンルもレベルも関係なく、みんなで楽しめる日です。

もし6月にパリへいらっしゃったなら、ぜひこの音楽祭を心ゆくまで楽しんでください!

2023年7月14日 革命記念日(パリ祭) / Fête nationale française

こちらもフランスを代表する祝日ですね。1789年7月14日にフランス革命が発端となった、「バスチーユ監獄襲撃」を記念する祝日です。1790年に行われた建国記念日「Fête de la Federation」が起源となっています。

(日本では、フランス映画『QUATORZE JUILLET』が『巴里祭』という題名でヒットしたため、「パリ祭」と呼ばれることもあります)

この日はフランス全土が大盛り上がり。パリではシャンゼリゼ通りで朝から大規模な軍事パレードが行われる他、花火大会やトリコロールの飛行機が空を舞うなど、様々な盛大なイベントが行われます。

2023年8月15日 聖母被昇天祭 / Assomption

聖母マリアがその人生の終わりに肉体と霊魂を伴って天国にあげられた事を記念するカトリックの祝日です。1950年に当時のローマ教皇ピオ12世によって正式に教義とされるようになりました。

2023年11月1日 万聖節(諸聖人の日)/ Toussaint

キリスト教で全ての聖人(生存中にキリストの模範に忠実に従い、その教えを完全に実行・まっとうした人たちのこと)と殉教者(イエスの信仰のために苦難を受け命を捧げた人たちのこと)を記念する祝日です。フランスではこの日を境に本格的な冬の到来を告げる日となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

フランスの祝祭日は、復活祭(イースター)を基準として毎年日付が変わる移動祝祭日がたくさんありますね。また、キリスト教が関係した祝祭日がとても多く見受けられます。このことからも分かるように、カトリック教徒の方々が多く、イエス・キリストを大切にしてきたという証なのでしょう。そして、それらの習慣はこれからも大事に受け継がれていくことでしょう。

フランスでは祝祭日の日は多くのお店やレストランが休業しますが、美術館などの観光スポットは開いている場合もありますので、お出かけ前に必ずご確認をおすすめします。

なお、フランスには振替休日はありません。(祝日が日曜日と重なっても、月曜は振替休日になりません)。その辺りは、働きすぎと言われている日本と真逆ですね。

祝日を通して、フランスのこと、キリスト教のことをより知ることができてより興味深いですね。今回ご紹介した祝祭日以外にも、フランスには年間を通して楽しいイベントなどがたくさんありますので、今後も面白いイベントなどもご紹介していきます。

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この記事を書いた人

フランスへピアノの音楽留学のために渡仏し、フランス人パートナーとパリに住んでいます。可愛い雑貨やアンティーク、手芸屋さんなど可愛い物が大好き。おしゃれなカフェやおすすめレストラン探し、フランスらしい風景を写真撮影するのが趣味です。
在仏歴10年、パリガイド歴7年以上。
住んでいる人しか知らない隠れ家的スポットやおすすめ情報などをぜひご紹介していきます。

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