前回の記事では「フランス語国民教育省認定資格」としてDELF・DALFがあり、その合格証明書は一生有効であること、将来フランスに住みたい方やフランス語に関する職を見つけたい方には非常に有利であるという旨をお伝えしました。
今回は、私が実際にDELFの試験を受けて、DELF B1に合格するまでに実践したおすすめの勉強方法について解説します。
DELF試験申請方法
試験への申請方法はとても簡単で、公式サイトからオンラインまたは郵送で願書を提出するだけです。
こちらのサイトからオンライン申請できます。
ただ、(B1〜C2までの6段階の中で)自分がどのレベルを受けたら良いのか分からない、という方も多いと思います。その場合には、あらかじめ事前に自分のレベルがどれぐらいかを把握できる「TCF」という語学力を測るテストがあります。
TCF (Test de Connaissance du Français) とは、フランス国民教育省が認定したフランス語学力を測るテストです。あらかじめDELF・DALFを受ける前に、点数に応じてレベルを欧州共通基準(CECRL)の6段階のレベル(A1 / A2 / B1 / B2 / C1 / C2)で正確に把握することができます。
またTCFには不合格はないため、全ての成績に対して公式証明書が発行されます。
DELF・DALFを受けるにあたって、自分が今どのレベルにいるのか、どのレベルを受けるべきなのかを判断できる基準になります。受験者にはテストの成績を記載した証明書(有効期間2年)が発行されます。
TCFについてはこちらを参考にしてください。
https://www.delfdalf.jp/tcfmodalites_jp.php
それぞれのレベルに応じて願書受付期間が限られているため、受験することが決まれば早めに願書を提出しておきましょう。
DELF試験当日
当日の数日前には、受験票と共に招集のメールが届きますので、そのメールを印刷して、希望した会場へ行きます。おそらくDELF・DALFの全ての試験に含まれていると思いますが、私が当日に実際に受けたテストの分野は「聴解・読解・口頭表現・文書作成」の4分野です。それぞれ25点満点で、トータル100点満点で配点されます。
どのレベル(A1〜C2まで)も試験合格基準点数は50点です。ただし、いずれかの分野がひとつでも5点以下なら不合格になります。
このようなフランス語認定試験を受けるのは初めてだったので少し緊張しましたが(特に口頭表現)、一度受けたらどんな試験かわかりますので、ひとまずは自分のレベルより少し易しいレベルから受けてみられることをお勧めします。
おすすめとしては、まずは自分の思っているレベルから受けるのではなく、「自分の思っているレベルの一つ手前のレベルから受ける」ことです。
上記にもお伝えしたように、どんな試験かというのを事前に知る判断材料にもなりますし、初めてのフランス語認定試験なので、自分の思っている実力を全て発揮できるとは限りません。
またどの分野でも試験時間は限られているので限られた中でどれぐらい実力を発揮できるのかということや、特に「聴解」の分野では一番試験時間が短かったので(聴解でCDを流してもらえる回数は2回まで)、かなり「聞き取り・リスニング」に力を入れておくことをおすすめします。
私自身、実際には少し易しいレベルから受けようと受験しましたが正解でした。
そして、試験後に思ったのが、やはりリスニングは大事だなということです。文字で書かれている文なら、時間内なら何度でも読み返して問題に挑戦できますが、リスニング(聴解)ではCDを流してくれる回数が2回しかありません。そのためその2回内で聴き取らなければならないため、自分が思っているよりもかなり「聞き取れる耳」を鍛えておく必要があると感じました。
フランス語おすすめの勉強方法
DELF・DALFを受けるにあたって、聴解にしろ読解にしろ、試験を受けるためには「フランス語脳」を鍛えておく必要があります。そこで、私がおすすめするフランス語を楽しく自分のものにする、習得できるおすすめの勉強方法をお伝えします。いずれもフランス在住10年間の間に実践した方法でもあります。
映画やドラマ(sérieと言います)、Youtubeなどでフランス動画を見る(フランス語の字幕付きで、俳優さんや女優さんの口の動きと合わせて)
個人的に一番効果があったと思うのはこれです。フランス語の動画をフランス語の字幕付きで見る。映画やドラマ、お笑い・ドッキリ動画、コメディ、なんでも自分の好きな分野の動画で良いです。人物の口の動きに合わせて、字幕付きの動画を見ることで、発音の音に合わせて文字を追うことで自然と脳がインプットしてくれます。
また、日本のユーチューバーのようにフランス人Youtuberも存在し、お笑い動画などもあるためたくさんのフランス語の表現方法(Expression française)を覚えられます。
参考までに、筆者おすすめのフランス人YouTuberをご紹介します(中にはフランス人ではない方もいますが、母国語がフランス語という意味です)。
彼らは皆コメディアンで、言っていることが分かってくると本当に面白いです。
自虐ネタなどもあり(たとえば、筋肉がついて立派な男性の体と、自分の貧弱な体の場合との扱われ方の違いや、イケメンの場合はこんな風にもてはやされるのに、自分の場合にはこんな扱いになる、など)だんだんと慣れてきて意味がわかると本当に面白いです。いずれにしても動画+字幕付きは本当におすすめです。
私は上記の動画は何百万回と見ました。彼らはフランスの中でも特に有名なため、ほとんど字幕はついているものが多いですが、付いていない動画でも慣れてくればある程度は理解できるようになります。
おすすめのコメディ動画はこちらです。
中級者以上の方なら、それ以外に、Série(シリーズもの)だとドキュメンタリー形式で下記がおすすめです。
「Le jour où tout a basculé」は字幕は付いていませんが、フランス人が迫真の演技をしており、言っていることも慣れてくれば大体は分かるようになります。何よりフランス語の独特な表現方法が非常にたくさん出てくるため、とても面白くおすすめです。
「Would you react」はExpérience Sociale(社会的実験)と言い、ドッキリ番組のようなもので、役者が演技をして、その周りの人がどのようにリアクションするのかを社会的に観察する番組です。
番組の最後にはいつも心理学者によるアナリーゼ(分析)があるため、大変興味深いです。教養を養うこともでき、時には感動して涙することもあります。
どの番組も大変おすすめです。ぜひ一度は見てみてくださいね。
フランスの歌手・アーティストの音楽を聞く
音楽がお好きな方にはぜひこちらをおすすめします。個人的におすすめアーティストは下記です。
日本のポップスや歌謡曲と同じように、今の時代を反映している歌詞が多いです。
歌のテーマもそれぞれ。恋愛、他人の目、憂鬱、SNSなどなど、色々なところで私たちが感じていることなどがフランス語で上手に表現されており、また音楽も大変良いので楽しみながらフランス語を学べます。何回も聞くことによって、自然とフランス語のリズムに慣れることが出来るようになります。
フランス人ネイティブの話す発音やスピードに慣れるために、常日頃からフランス語会話などを流しっぱなしにする。
ラジオやニュース、テレビ番組などでも良いです。在仏10年の筆者の経験からしても、フランス語に慣れるために、「ネイティブの話すフランス語を頻繁に耳から聞くこと」は必要不可欠です。
フランス語の個人レッスンなどでは、先生が優しくペースに合わせてゆっくりと発音・会話してくれるため、それはそれでありがたいのですが、やはり本場で実際にフランス人と会話する、実践するという意味ではネイティブの話すスピードに慣れる必要があります。
そこで私の大変おすすめするサイトがあります。
フランス語学習サイトCoucou ! というサイトです。
こちらから10話無料で日常会話のレッスンをお試しで聴くことができます。
こちらのサイトでは、フランス人ネイティブが日常で話すスピードでの会話を聞けるため、フランス語を学ぶのに欠かせない「リスニング」を重点的に鍛えることができます。DELF・DALFの試験に特に重要なリスニングをこちらのサイトで念入りに鍛えることが出来るので大変おすすめです。
上記リンクか無料で10話聞けますので、まずはどんな感じなのか体験してみることをお勧めします。
また、フランス語の発音は独特で、日本語のカタカナとは実際には音が異なります。なので、カタカナで書いてあるようなサイトはおすすめしません。フランス語に毎日触れていた私からみても、こちらのサイトのような、アルファベットと音声のみのサイトがフランス語を正しく学ぶのには最も適しています。
また、DELF・DALFの試験を受ける際に必要な「聞き取れる耳」を鍛えるのに理想的なサイトです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。フランス語は英語ともまた違う独特な発音があるため、耳から聞いて覚えることが必須で、最も重点を置くべきことでもあります。
どの勉強方法にも言えることですが、大切なのは「継続すること」です。毎日少しでも、フランス語に触れることがフランス語上達への近道です。
特に今回ご紹介した動画やリスニング方法だと、毎日コツコツ飽きずに楽しみながら学べますので大変おすすめです。
ぜひ自分に合った勉強方法を見つけてくださいね。