世界一美しいフランスのバラの街 «Gerberoy(ジェルブロワ)»の魅力と歴史を紹介

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皆さんは、ジェルブロワ« Gerberoy »という街をご存知でしょうか?
ジェルブロワは、フランスの北部、ノルマンディ地方にある別名「バラの村」と呼ばれるほど美しいバラで有名な街です。

今回はそんな美しいバラに囲まれ、甘い香りに包まれる街ジェルブロワの魅力と、なぜこんなに有名なバラの村になったのかという由来をご紹介します。

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パリから日帰り旅行が可能な街、Gerberoy(ジェルブロワ)とは?

パリから北へ104km、フランス北部のHauts-de-France(オー=ド=フランス地域圏)のOise(オワーズ県)にある、人口100人ほどの小さな村Gerberoy(ジェルブロワ)。

この街は、「フランスで最も美しい村」の一つに選ばれている村です。
特にバラで有名な村で、17世紀から18世紀の当時の家や石畳の道などがそのまま残され、当時の趣を感じます。

毎年5月〜6月頃までが一番バラが咲き誇るシーズンなので、世界中から美しいバラの街を一目見ようと観光客が訪れます。

街自体は30分から1時間もあれば見回ることができる、とても小さい街ですが、ノルマンディー地方独特の建築と石畳の道、地元特有のレンガの建物や、街全体を優しく包み込むように咲き誇っているバラの姿は見応えがあり、心に響くものがあります。

街にはカフェやレストランがいくつもあり、バラに囲まれて優雅にお茶やお食事が楽しめます。

特別にお土産屋さんはありませんが、観光案内所でバラのジャムやバラの香水、バラ石鹸、バラのルームフレグランスなどのあらゆるバラグッズが売られており、訪れる人の心を魅了して止みません。

なぜバラの街に?美しいバラの街になるきっかけ・由来

歴史は古く、紀元前50年以降まで遡ります。今でこそバラの街「ジェルブロア」ですが、当時の村は百年戦争・宗教戦争の後ですっかり廃墟と化していました。
そんな中、彫刻家ロダンの勧めで、印象派画家でかつ「薔薇と光の画家」と呼ばれていたHenri le Sidaner(アンリ・ル・シダネル1862-1939)がボーヴェ(Beauvais)の街に移住し、そこからほど近いこのジェルブロアの街を1901年に訪れた際、古い城壁と趣のある建物に惚れ込んだシダネルは、「この街をバラで埋め尽くそう!きっと最高に綺麗な街になるに違いない」と決意しました。
それから村人たちに呼びかけ、彼らの協力も経てバラの育成と栽培が継続して根気よく行われ、ついに現在まで続く「美しいバラの街・ジェルブロア」が誕生したのです。

シダネルは、写実主義、象徴主義を経てIntimiste(intime=内輪の、内密な、秘められた、という意味。広義は室内画家をさし、狭義にはその室内画に温かな親密な情感を表現する画家たちのことを指します)としてこの村で多くの絵を描きました。

バラの街に改革しようと企画したシダネルは、まず彼自身の自宅の家を薔薇園にして、その後にジェルブロワ村全体を薔薇で埋め尽くすよう提案しました。村人たちの温かい協力のおかげで今に至り、現在では美しき「薔薇の村」としてフランス中で有名になり、美しいバラの街を一目見ようと世界中から人々が訪れるようになりました。

アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner : 1862年 – 1939年 )
20世紀初頭に活躍したフランスの画家。『夕暮の食卓』、『月夜』、『ジェルブロワの司祭館と教会』など身近な題材を独特なタッチで描いた。1894年にサロンに初出品し、その後サロン・ナショナルや1900年のパリ万国博覧会など様々な出展会に出品した。印象派や新印象派の影響を受けながら、どこか暗い霧に包まれたような静謐な風景や室内を多数描いた。点描画法を駆使した彼の作風には印象派・新印象派の新技法の影響が顕著であり、特に彼の描く哀愁をおびた夕暮れの詩情には独特の趣きがある。
1989年に行われたパリ16区のマルモッタン美術館での大規模な個展をはじめ、近年はヨーロッパで頻繁に展覧会が開催されている。また日本でも2011年から2012年にメルシャン軽井沢美術館等で初の個展が開かれている。

バラ祭り

バラが一番美しく咲き誇るシーズンは5月〜6月頃です。そのため特に6月は多くの観光客が世界中から訪れます。
そして特に、6月の第3日曜日に毎年行われる「バラ祭り」は有名で、村中が一丸となりこのイベントのために盛り上がります。

1928年に最初のバラ祭りが開かれ、それ以降現代まで伝統が守り継がれてきています。バラ祭りの内容はコンサート、仮装行列、陽気な音楽を演奏する演奏隊など、ありとあらゆる楽しむための要素を取り入れながら、薔薇が美しく咲き誇るこの村をお祝いします。
広場には露店も出展され、バラにちなんだ雑貨や小物や可愛いブリキのおもちゃなどが販売されます。また村内のカフェやレストランでは、このバラ祭りのためだけに準備された手作り特別メニューなども用意されており、小さな村ならではの温かいおもてなしで、訪れる人の心を癒してくれます。

毎年この時期になると世界中から多くの観光客が訪れ、一番賑わうシーズンとなります。またバラも一年のうちで一番咲き誇る時期のため、街中が甘い香りに包まれとても幸せな気持ちになります。

ぜひ5月・6月にフランスへ行くことがあれば、ジェルブロワに立ち寄ってみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。画家としての実力や実績もさることながら、現代まで受け継がれる素晴らしく美しいバラの街の基礎を築いたアンリ・ル・シダネル。彼が村の美しさに魅せられなければ、今日まで受け継がれるこのバラの街も誕生しなかったと思うと感慨深いですね。

バラの満開シーズンは5月から6月頃ですが、もちろんそれ以外のシーズンでも街自体がとても小さく可愛らしく、建築物も個性的なので訪れる価値は充分あります。私が実際に行って感動したのは、どこを歩いてもバラのとても良い甘い香りがすること。実際に少し鼻を近づけてみると、バラによって香りもさまざまで実際に肌で感じられるものが多く感動しました。

ぜひフランスへ行く機会があれば、この美しいバラの咲き誇る魅力的な街「ジェルブロワ」に立ち寄ってみてくださいね。

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この記事を書いた人

フランスへピアノの音楽留学のために渡仏し、フランス人パートナーとパリに住んでいます。可愛い雑貨やアンティーク、手芸屋さんなど可愛い物が大好き。おしゃれなカフェやおすすめレストラン探し、フランスらしい風景を写真撮影するのが趣味です。
在仏歴10年、パリガイド歴7年以上。
住んでいる人しか知らない隠れ家的スポットやおすすめ情報などをぜひご紹介していきます。

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