フランスといえばパンが美味しい!と言うイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
フランス人は主食がパンなので、毎日パンを食べます。そしてパリ市内のBoulangerie(パン屋さん)は様々な種類の焼きたての美味しいパンを朝早くから仕込むことに大忙し。中でも人気トップ3はやはりクロワッサン、バゲット、そしてパン好きにはたまらない、「パン・オ・ショコラ(チョコレート入りのパン)」です。
今回は、パリ在住10年以上の私がパリ市内でおすすめする美味しいパン・オ・ショコラが食べられるパン屋さんをご紹介します。
パン・オ・ショコラ(pain au chocolat)とは
パン・オ・ショコラ « pain au chocolat »とは、フランス発祥のチョコレート入りのパンです。元は子供たちの15時のおやつタイムに、ミルクと一緒に食べられるようにとパンにチョコレートを挟んだ家庭レシピから派生したものです。
本場はフランスですが、アメリカやカナダなどヨーロッパ各国で愛されており、もちろん日本でもパン屋さんに並んでいて見かけることがしばしばあります。それだけ世界中で人気があり、一般の家庭に浸透しているということがよくわかりますね。
また、「パン・オ・ショコラ」と呼ぶのは主にパリなどのフランス北部の呼び方で、トゥールーズやボルドーなどのフランスの南西部では「ショコラティーン « Chocolatine »」と呼ばれています。
全く同じものなのですが、地域によって呼称が変わるのは興味深いですね。
パリのパン・オ・ショコラが美味しいいおすすめのパン屋
Boulangerie moderne
一つ目におすすめするパン・オ・ショコラが美味しいパン屋さんは、パリ5区にある『Boulangerie moderne』。
Netflixで大人気となったドラマシリーズ『エミリー、パリへ行く』の中で登場する主人公のエミリーが、パリに住み始めて初めて食べてあまりの美味しさに感動したというシーンが出てくる、ドラマのロケ地にもなったパン屋さんです。
ドラマに登場して以降、たくさんのお客さんが来店してくるそうで、有名になったパン・オ・ショコラには「Pain au chocolat d’Emily(エミリーのパン・オ・ショコラ)」と名前がついているほど。
有名ホテルで数々の修行を積んだティエリー・ラヴィノー氏が創業したパン屋さんで、オーガニックの小麦や天然酵母、安全であるという原産地を保証する「A.O.P」認証入りの牛乳などを使用していて素材にもこだわっています。
チョコレートとバターの絶妙なハーモニー、芳醇な香りとサクサクの生地はやみつきになるほどの美味しさです。
パン・オ・ショコラに注目が集まりますが、実はマドレーヌも人気で1日に300個以上も売れることもあるそう。お店の外観もまさにパリのパン屋さん!と言う感じでとってもおしゃれで可愛く、デコレーションにもこだわっています。2023年にはクロワッサンコンクールで2位を獲っているほど地元民にも愛されている大変人気のパン屋さんです。
パンテオンやリュクサンブール公園などからも近いので、近くに来た際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。
※『エミリー、パリへ行く』…2020年に配信されたアメリカのテレビドラマシリーズ。シカゴからパリに移住したエミリーの生活を描くコメディドラマ。
お店の名前 | Boulangerie moderne Rabineau |
住所 | 16 Rue des Fossés Saint-Jacques, 75005 Paris, フランス |
営業時間 | 月〜金:7時00分~20時00分 土日:定休日 |
Blé Sucré
2つ目のおすすめは、パリ12区のバスティーユ近くにある『Blé Sucré』。
フランスでは、実はパン屋さんによって当たり外れが大きくあります。パリッパリの焼きたてクロワッサンを期待していたのに、しっとり湿っている感じのクロワッサンだったり、予想していたイメージとかけ離れていることもしばしば。また日によって焼き上がりが違うところも多く、びっくりするぐらい大きい形の時もあれば、発酵不足?と疑いたくなるようなしおれた小さい形のパンが並ぶこともあります。だからこそ、パン屋選びは大切なのです。
パリ12区にあるこの『Blé Sucré』は、そういった意味でも一押しできるおすすめのパン屋さんです。まずいつ行っても焼き上がりにむらがなく、どれも安定してとても質の高いパンを提供しています。しんなりしたパン・オ・ショコラも多いパリのパン屋さんの中で、こちらのパン・オ・ショコラは外はカリッと、中のチョコレートはしっとり濃厚で、まさにイメージしていたパン・オ・ショコラを堪能できます。
シェフは5つ星ホテル『プラザ・アテネ』『ル・ブリストルパリ』などの星付き高級ホテルでの修行を経て創業されたそうで、こちらも納得です。
パリ在住のフランス人の友人の中にも、パン・オ・ショコラはBlé Sucréのものしか食べないという人もいるほど大変人気です。バスティーユ付近に立ち寄ることがあれば、ぜひ一度訪れてみてください。
お店の名前 | Blé Sucré |
住所 | 7 Rue Antoine Vollon, 75012 Paris, フランス |
営業時間 | 火〜日:7時00分~20時00分 月:定休日 |
Union
3つ目はパリ9区にあるパン屋さん『Union』。
創業はもともと金融業で働いていたカップルが、昔からの夢であった美味しいパン屋さんを持つという目標のために、有名ホテル『プラザ・アテネ』や数々の有名パティスリーの元で厳しい修行を積んで独立して作ったブーランジェリーです。
素材にもこだわりがあり、店内のほぼ全てのパンがBIO(オーガニック)由来で、またフランス産の物に限定しているそう。添加物を極力少なくして健康志向のフランス人にとっても嬉しいパン屋さんです。
人気のクロワッサンやバゲット(tradition)はもちろん、ラズベリータルトやフルーツグラノーラタルト、バブカ(中に甘いチョコレート味のペーストが巻き込まれたローフ状のロールパン)、ライム入りチーズケーキなど、オリジナリティあふれるUnionでしか買えない独創的なパンが盛りだくさん。
モンマルトルやオペラ界隈と同じパリ右岸にあるので、ぜひ同じ界隈にきた際には立ち寄ってみてくださいね。
お店の名前 | UNION BOULANGERIE |
住所 | 2 Rue Bleue, 75009 Paris, フランス |
営業時間 | 月〜金:8時00分~20時00分 土:8時00分~15時00分 日:定休日 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、パリのパン屋さんの中でも特に美味しいパン・オ・ショコラを食べられるパン屋さんをご紹介しました。どれもまだ日本には上陸していない、パリにしかないおすすめのパン屋さんです。
パン・オ・ショコラはフランスの日常に根付いた国民的なパンなので、日本人にとって主食のお米とおなじぐらい頻繁に食べられているパンです。また余談ですが、パン・オ・ショコラは温めて食べるのが本場流なので、パリの店舗ではすでに温められた状態で売られていたり、注文した後にオーブンで温めてから手渡されたりします。本来は暖かい状態が一番美味しいとされているのです。中でもアメリカでは、中のチョコレートが溶けるほど温めることもあるそう。ぜひ本場パリに来た際には、焼きたてアツアツの美味しいパン・オ・ショコラを食べて、パリ気分を堪能してください。