パリから40キロほどのところにある「Chantilly」(シャンティ)という街をご存知でしょうか。電車で気軽に行けるため、フランス人にも人気の観光地です。今回は、パリから日帰りで行ける街、シャンティをご紹介します。
ホイップクリーム発祥の地
シャンティはホイップクリームが生まれた街として知られています。ホイップクリームはフランス語で「Crème chantilly」(クレームシャンティ)といい、シャンティの街の名前が由来です。
ホイップクリームを作り出したのは、フランソワ・ヴァテルという人物。彼は1660年ころからシャンティ城の食事や宴会などの責任者をつとめ、そのときにホイップクリームを生み出したとされています。
ただ、当時はまだクレームシャンティとは呼ばれてはいませんでした。クレームシャンティの名前が生まれたのは、18世紀の終わり頃のようです。
ホイップクリームが食べられるおすすめカフェ

シャンティにはホイップクリーム専門のカフェがあります。それが「L’Atelier de la Chantilly」です。
ここでは、ホイップクリームにフルーツなどをトッピングしたものから、シュークリームやケーキなど、ホイップクリームをたっぷり使ったスイーツが食べられます。
一見とても甘そうですが、ホイップクリームは甘さ控えめでぺろりと食べられますよ。
◯ L’Atelier de la Chantilly
アドレス:48 Rue du Connétable, 60500 Chantilly
公式サイト
見どころはシャンティ城

シャンティの最大の見どころはシャンティ城。シャンティ城は大きく分けて、城・庭・厩舎の3つからなります。庭は広大で、厩舎では馬のショーを見ることもでき、1日中楽しむことができます。
シャンティ城

シャンティ城の中には、かつての住人らが暮らしたアパルトマン、数々の絵画や貴重な写本を展示するコンデ美術館などがあります。アパルトマンは18〜19世紀にかけて流行したきらびやかな装飾でうめつくされていてとても華やか。

また、シャンティ城を寄贈したオマール公の意思により、コンデ美術館の美術品の配置は19世紀から変わっていないのだそう。かつての住人が見たのと同じ景色を見ることができます。
シャンティ城の庭

シャンティ城の庭は115ヘクタールもの広さを誇ります。そのなかには、イギリス式庭園、フランス式庭園、アングロ・シノワ式庭園があり、それぞれ雰囲気が異なります。
アングロ・シノワとは、中国の装飾などを取り入れたイギリススタイルのこと。このゾーンには田舎風の小さな家などもあり、とてもかわいくておすすめです。
天気がよければピクニックをしたり散策をしたりして、自然の中でのんびり過ごせます。
厩舎

厩舎では現在でも馬が飼育されていて、馬のほかにもポニーやロバなどがいます。馬のショーも開催されているので、子ども連れでも楽しめる場所です。ほかには、馬と人間の歴史をまとめた美術館もあります。
◯ Château de Chantilly
公式サイト
パリからシャンティへの行き方
公共交通機関を使ってパリからシャンティへ行く方法は2つあります。
- TER(快速・普通電車)
パリ北駅 → Chantilly-Gouvieux駅下車
所要時間:約25分 - RER D線(パリ近郊列車)
パリ北駅 → Chantilly-Gouvieux駅下車
所要時間:約45分
TERもRERも、パリ北駅から乗り、Chantilly-Gouvieux駅で下車します。TERの方が所要時間が少なく本数も多いので、TERがおすすめです。料金は時間帯によって違いますが、往復10〜20€で行くことができ、予約の必要はありません。
Chantilly-Gouvieux駅からシャンティ城へは、徒歩またはバスで行くことができます。
- 徒歩:約20分
- 市バス:645番 Senlis行き、または無料バスDUC(月曜から土曜のみ)
- 直通シャトルバス:週末と祝日のみ運行(無料)
無料のバスが出ているので、簡単にシャンティ城まで行くことができます。徒歩でも20分ほどの距離なので、シャンティの街を散策がてら歩いて行くのもおすすめです。
シャンティはパリから30分ほどで行けるにも関わらず、街は静かでのんびりしています。シャンティ城は1日いても飽きないほど見どころが多く、お城の美しさも一見の価値があります。フランス旅行でパリから日帰り旅行をしたい!という方はぜひシャンティへ行ってみてください。