フランス人は傘を差さない!?理由とフランス文化を解説

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日本では雨が降るとみんな傘を指すのが当たり前の光景では、フランスでは雨が降っても基本的に傘を差さない人がほとんどです。フランス在住歴10年の私の経験でも、雨が降っていても傘を差している人は全体の3割程度で、ほとんど差していない人が多かったです。

今回は、フランスではなぜ雨が降っても傘を差さない人が多いのか、その理由を書いていきたいと思います。

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すぐ乾くから必要ない

フランスの湿度はとても低く、パリでは年間を通して日本の半分ぐらいの湿度ぐらいしかありません。梅雨の時期だと、日本だと湿度はおよそ65~70%ぐらいなのに対し、パリの家の湿度計ではいつも35~40%ぐらいを指していたことが多かったです。そのため雨が降っても除湿する必要は全くなく、逆に加湿器を購入する家庭も多いぐらいです。

フランスでは常に「湿度は低いもの」という考えがあるため、洗濯物も基本的にすぐ乾くものという認識です。湿度が高くてばい菌が繁殖するということもないので、日本人のように毎日洗濯をしている家庭はめったになく、数回使用してから洗濯する(だいたい週1~2回)家庭がほとんどです。

外の雨が降っても同様で、全体的にカラッとしている気温のため、基本的に濡れてもすぐ乾き、傘を差さないという人が多いのはそのためです。

持ち歩くのが面倒

これについては優先度の問題ですが、フランスでは雨に濡れるのが嫌というよりは「持ち歩くのが面倒」という人が圧倒的に多いです。特にパリなどの大都会では人通りも多いため、メトロなどで人混みの際に持っていると邪魔になるという問題もあります。また単純に持ち歩くのが面倒、傘を差しながら歩くのが面倒というのが理由です。

一度私のフランス人パートナーになぜ傘を差さないのか聞いたことがありますが、理由はやはり持っていて邪魔になるから、ということらしいです。

ただし本格的な大雨でドシャ降りの際には、やはりフランス人でも濡れたくないようです。
それゆえに彼は傘の代わりに折り畳み傘は常に常備していました。フランス人の友人も、雨が降っている日はフード付きレインジャケットなどを羽織って外出するか、折り畳み傘でした。

日本だと湿度が高いため、濡れるとそこから湿気てばい菌が繁殖したり、臭ったりする問題があるので雨の日=傘が日常ですよね。しかしフランスでは湿度が低いため、そこまで過敏に神経質になる必要はないようです。(ただし、これらはあくまでも小雨の場合です。大雨の土砂降りには、もちろんフランス人だって傘を差しますよ!)

濡れても気にならない

個人差はありますが、フランス人は基本的に細かいことは気にしない性格の人が多いです。

雨に濡れた格好でメトロに乗っても、日本のようにじろじろと見る人は滅多にいません。人それぞれという認識が常にあるため、人は人、自分は自分と常に一線を引いています。

特に女性では、日本人の場合メイクや髪型が乱れるのが気になって傘を差す人も多いと思いますが、フランス人女性はそもそも普段から濃い化粧などをせず、髪型も上に束ねるだけの髪型の人が多く(シニョンと言います)、ナチュラルな人がとても多いため、外見をあまり気にしません。

日本人のように過敏に人目を気にせず、傘も自分が邪魔だと思ったら持ち歩きません。自分の好きなように、したいように自由に生きられる国とも言えます。日本にはない大きな魅力ですね。

学校への傘の持ち込みが禁止されている

実はフランスの幼稚園や小学校などの教育機関では、傘の持ち込み自体がそもそも禁止されているところがあります。理由は「先が尖っていて危険だから」「傘で遊んで振り回したりすると他人を傷つける恐れがある」からです。

私の経験でも確かによっぽどの大雨の日以外は、傘を差している子供たちはあまり見かけなかったです。傘の代わりにフード付きのレインコートを着ている子たちは多かったです。

子供の時にこのように傘を差すという習慣がなかったために、大人になってからもそれがまだ根付いているのかもしれません。

降ってもすぐ止むから

フランスでは気候柄、雨は降ってもすぐ止むことが多いです。
日本のように何時間もザーザーと降ることは滅多になく、1時間ぐらいでサーッと青空が広がっていきます。そのためどしゃ降りの際には一時凌ぎとして、ブティックやカフェの屋根などで雨宿りする人も多いです。

「どうせすぐ止むだろう」という認識がフランス人の中のどこかにあるからかもしれません。

雨宿りをしている最中、「ひどい雨だね」「あなたの家はここから遠いの?」などとおしゃべりを楽しむフランス人も少なくありません。フランス人はおしゃべりが大好きです。どこでもいつでも場所を構わず、見知らぬ人と話したいのです。

フランス人にとっては、雨宿り中は「見知らぬ人とおしゃべりを楽しめる時間」でもあるのです。

まとめ

フランスでは雨が降っても傘を差さない人が多い理由、いかにフランスでは湿度や気候、また日本と文化が大きく違うかということについてご理解いただけたかと思います。

かくゆう私も、フランスでは傘はあまり差しませんでしたが、日本に帰ってきた時にはもちろん傘を常備していました。郷に入っては郷に従え、その国の土地や習慣に従うことが大事ですね。

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この記事を書いた人

フランスへピアノの音楽留学のために渡仏し、フランス人パートナーとパリに住んでいます。可愛い雑貨やアンティーク、手芸屋さんなど可愛い物が大好き。おしゃれなカフェやおすすめレストラン探し、フランスらしい風景を写真撮影するのが趣味です。
在仏歴10年、パリガイド歴7年以上。
住んでいる人しか知らない隠れ家的スポットやおすすめ情報などをぜひご紹介していきます。

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