今回は、フランス語訳されている日本の懐かしい絵本(フランス語初中級者向け)を紹介したいと思います。
以下で紹介する絵本は、いずれも私が日本で保育士として働いていたときにこどもに読み聞かせをしていた本で、読みやすく、どれもおすすめの作品です。
つみきのいえ
文 | 平田研也 |
絵 | 加藤久仁生 |
出版社 | 白水社 |
発行年月 | 2008年10月 |
日本では、短編アニメ映画としても話題になったこの話。映画編では数々の賞を総なめし、その後絵本として描き下ろされたものです。
【あらすじ】
(温暖化により)歳月とともに海に沈んでしまう町に住む老人。この町の人たちは、レンガを積み上げて海に沈んでいく家を建てていきます。この老人も積み上げては沈んでしまう家に住んでいます。ある日、工具を水中に落としたことがきっかけで、水中に潜り、かつて積み立てていった家の思い出を回想しながら、彼の人生を遡っていく。
私はこの本をフランス語で初めて読みましたが、なんだか懐かしく、少し悲しく、でも感動し、いろいろな感情があふれ出す大人向けの絵本だなと思いました。絵本は挿絵が優しいタッチで物語の暖かさが伝わってくる印象です。
つみきのいえのフランス語
過去を振り返っていくため、半過去や単純過去がたくさん出てきます。また、会話文が少なく複文も多く、抽象的な表現のフランス語が学べます。
また、当時の家、あのころの家、といったように家をいろいろな表現で表しているのも面白いです。
B2を学んでいる人向けだと思います。
100かいだてのいえシリーズ
文 | いわい としお |
絵 | いわい としお |
出版社 | 株式会社偕成社 |
シリーズ化しているこの100かいだてのいえ。うみ、そら、ちか、もりと楽しめます。
主人公がタイトルのとおり、100かいだての家にいくお話。例えばうみの家は、イルカやたこなど、海中の生物の暮らしの様子がかわいらしいイラストで細かく描かれています。その細かさに大人の私も釘付けです。こどもと数字も一緒に学べる絵本です。
100かいだてのいえのフランス語
家の中の生物同士の日常会話が多く、大変読みやすいです。B1くらいのフランス語だと思います。会話の中では、命令形、近未来、未来形、過去形、半過去、接続詞、感嘆文といろいろとでてきます。また、家の中で使えそうな単語から、シリーズ別だと、うみは海関連の単語といったようにカテゴリーの単語も増やせます。
14ひきの(ねずみ)シリーズ
文 | いわむら かずお |
絵 | いわむら かずお |
出版社 | 童心社 |
小さいときに誰もが一度は読んだはずのこのシリーズ。もちろん私も東京の幼稚園で働いていたときには何度も何度も園児に読み聞かせをしていました。
【あらすじ】
大きな森の木を改造した家に住む14匹のねずみ一家の大家族の日常生活を通して家族団らんの喜びを描いた絵本である。(wikipediaより)
14ひきの(ねずみ)シリーズのフランス語
B1あたりのフランス語かと思います。文章の量は少なく、単文が多いので読みやすいです。動詞も現在形が多いです。ただ、『つみきのいえ』同様、抽象的な表現もいくつかでてきますし、会話文も少ないです。使われる単語レベルは日常生活に欠かせない単語ばかりです。
いかがでしたか?皆さんも日本語版・フランス語版と読み比べて、是非フランス語習得にお役立てくださいね。